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「インディペンデント・コントラクター」(2) カタカナ言葉だから外来の概念だということには必ずしもならないだろうが、 インディペンデント・コントラクターも、どうやら外来の概念のようだ。実際、 「Independent Contractor(s)」をGoogle検索すると大量にひっかかってくる。 やはりアメリカが多いので、だいたいアメリカの概念だと思ってよさそうだが、 カナダ、イギリス、オーストラリアなどのサイトもたくさんあるので、グロー バルに拡がっているようだ。Independent Contractorsをたばねた団体も多く みつかる。手当たり次第に見てみた印象では、やはり近年になって増加してお り、IT関連の仕事が多いようにみえる。 数年前に話題になったダニエル・ピンク著、池村千秋訳『フリーエージェン ト社会の到来−「雇われない生き方」はなにを変えるか』によれば、米国で働 く人の4分の1、カリフォルニア州で働く人の3分の1は「フリーエージェン ト」なのだという。フリーエージェントはインディペンデント・コントラクタ ーより広い概念のようだ(ピンク氏は「フリーエージェント」を「フリーラン ス」「臨時社員」「ミニ起業家」の3つに分類している)が、同書によれば近 年のフリーエージェントの台頭には4つの背景があるという。すなわち、(1) 忠誠心と引き換えに雇用の安定が保障されなくなったこと、(2)生産手段が小 型・安価になり、個人所有できるようになったこと(その代表例としてノート パソコンがあげられている。これがIT関連が多い理由なのだろう)、(3)働 く人が仕事にやりがいを求めるようになったこと、そして、(4)企業の寿命が 短くなり、一社で職業生涯を終わることができなくなったことだ。 フリーエージェントの議論をそのままインディペンデント・コントラクター にあてはめることはできないだろうが、これをわが国の状況と比較してみよう。 まず(1)については、日本企業は米国企業と異なり、雇用の維持にはかなりの 努力を傾けてきたが、そのために正社員採用を大きく減少させてしまった。そ のため、不安定雇用が増えているという意味では米国と類似の状況になってい るといえるだろう。(2)、(3)については、日米で大きな違いはあるまい。(4) に関しては、象徴的に語られる山一や拓銀の破たんや、老舗の倒産・廃業が増 えているといったことはあるようだが、実際のところどうなのかはよくわから ない、と言っておいたほうが無難だろう。 したがって、これからもインディペンデント・コントラクターは一定の増加 をみるのではないかと考えられるだろう。もちろん、こうした働き方はまった く新しいものではなく、わが国でも古くから「一人親方」のような存在があっ たことも事実だ。とはいえ、経済環境はかなり変わっている。インディペンデ ント・コントラクターの増加にあわせて、社会制度面でも一定の対応が必要に なるのではあるまいか(ピンク氏は、著書で米国について同様の意見を述べて いる)。 一部には、インディペンデント・コントラクターを「不安定就労」であると して、なるべく減らすべきものだとする意見もある。しかし、そうした画一的 な発想はこれからの時代にはなじまないだろう。もちろん、すべてにばら色の 未来を描くことはできないにしても、インディペンデント・コントラクターを、 多くの人たちが必要に応じて選択できる現実的な働き方、生き方のひとつとし て確立していくための知恵が求められているのではないかと思う。 |