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継続雇用(1) 昨年の高齢法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)改正により、「継 続雇用」がキーワードとなっている。今年のいわゆる「春闘」でも、ホットイ シューのひとつとなりそうだ。 この「継続雇用」という言葉、高齢法ではすでに今回の改正前から定義され ている。改正前の同法第9条は「定年(65歳未満のものに限る。以下この条に おいて同じ。)の定めをしている事業主は、当該定年の引上げ、継続雇用制度 (現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も 引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入又は改善その他の当該高 年齢者の65歳までの安定した雇用の確保を図るために必要な措置(以下「高年 齢者雇用確保措置」という。)を講ずるように努めなければならない。」と定 めている。これによれば、継続雇用制度とは「現に雇用している高年齢者が希 望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度」という ことだから、継続雇用は「現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該 高年齢者をその定年後も引き続いて雇用すること」ということになる。これだ けだと定年後に何歳まで雇用するのかがはっきりしないが、同条は「当該高年 齢者の65歳までの安定した雇用の確保を図る」としているから、当然65歳まで ということになるだろう。この努力義務が一部例外付きで段階的に義務化され たのが今回の法改正ということになる。法文上は「継続雇用」の定義は改正前 と変わっていないが、今回は義務化ということで、その解釈が通達で示されて いる(平16.11.4職高発第1104001号)。それによれば「雇用の形態については、 必ずしも労働者の希望に合致した職種・労働条件による雇用を求めるものでは なく、本措置を講じることを求めることとした趣旨を踏まえたものであれば、 常用雇用のみならず、短時間勤務や隔日勤務なども含めて多様な雇用形態を含 むものであること。」となっている。つまり、「希望者全員」の「雇用」が確 保されるのであれば、その形態は幅広く認められるということだ。したがって、 厚生労働省の継続雇用のPR用パンフレットなどをみると、登録型派遣会社に 登録しているだけでは継続雇用とは認められないが、子会社への転籍出向であ っても雇用が確保されるならば(その担保のために子会社に対する明確な支配 力や雇用確保の労使慣行の存在などが求められている)継続雇用と認めようと いうのが行政の見解のようだ。 さて、改正前の第9条をもう一度見てもらうと、「当該定年の引上げ、継続 雇用制度」となっている。改正法の9条は、「当該定年の引上げ」「継続雇用 制度の導入」に加えて、「当該定年の定めの廃止」も上げられている。という ことは、定年延長や定年制の廃止は継続雇用とは別だということになる。字面 だけをみれば、定年延長や定年の廃止でも継続して雇用されるには違いないか ら、これらも継続雇用に含まれるのではないかと思うのが普通だと考えられそ うなものだが、そうではない。となると、高齢法上は「継続雇用」はいったん 定年退職してからあらためて雇用される、すなわち通常は「再雇用」と称され るものに限られるということになりそうだ(理屈上は「希望者全員の定年延長」 というのもありうるだろうが、これは実質的には希望者に限らず全員を定年延 長するのと同じことだろう)。それをあえて「継続雇用」と呼んだ理由は不明 だが、勝手に想像すれば、努力義務規定が定められた当時は再雇用というと希 望者全員ではないものが一般的だった(現在も、努力義務化の成果もあってそ れなりに増加はしているが、多数ではない)ので、あえて異なる用語を使用し たものだろうか。 |