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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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            平成12年7月8日発行
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           <<< 韓国のゼネスト事情 >>>

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  韓国の金融機関のストライキが収拾したとの報道がされておりました。

 これは、韓国経済の「構造改革」路線の一環として、金融機関の自己資本 規制を導入しようという政府の方針に対し、労働条件の悪化、雇用の削減に つながるとして、労組が反対していたものです。「当局は、合併などを強要 しない」などの条件で解決したとのことです。
 先般の「南北首脳会談」のとき、国際プレスセンターが設置されたソウル 屈指の高級ホテルである「ホテルロッテ」でちょうどストライキが行われて おり、その映像も放映されましたので、ご覧になられた方も多いと思います。 ハチマキをしめた労組員がホテルの周囲を包囲し、客室のガラスを割ったり するなど先鋭化した労組員を警官隊が排除するといった場面もありました。

 もともと韓国では、財閥が発達して富が集中していることへの不満もあり、 労働運動は激しいものがあり、その結果、かつて日本の数%と云われていた 賃金水準が、経済危機の直前には、職種によっては60〜70%と云われる 水準にまで上昇しました。経済危機の際には、解雇規制の緩和などに強硬に 抵抗する一方で、国家的危機ということで賃金引上げを求めるストライキは 減少、むしろ企業再建のために労組自ら賃金カットなどを申し出るといった 協力的姿勢も示しました。

 そして、経済がほぼ回復して、成長路線に復帰した今になって、これまで 協力してきた分を上げろ、ということで、またストライキが頻発するように なったということのようです。

 特にすごいのが、先月下旬に行われた医師会のストライキです。韓国では 社会制度の多くが日本を手本にして作られており、健康保険制度についても 日本とほぼ同様なのですが、経済危機もあって健保財政が悪化してきたため、 政府は、わが国でも悪名高い薬価差益を解消しようと「医薬分業」を進める ことを決定しました。これによって損失を被る医師たちが、反対運動として ストライキに踏み切ったものです。

 かなり以前の話になりますが、日本でも、一部の健康保険組合が診療報酬 改定に反対し、改定の取り消しを求める行政訴訟を起こした時に、医師会が 当該健保組合の組合員の診療を拒否する方針をとった結果、診療拒否による 死者が出るという事件があり、厚生事務次官をはじめ、役人の首がいくつか 飛んだということがありましたが、どこの国でも、常に「医は仁術」という わけにはいかないというのが実情のようです。

 日本では、大規模なゼネストはもう20年くらい行われておらず、すでに 実感のないものになりつつありますが、それで平和ボケしてしまうと、万一 労組が開き直って実力行使に出てきたときにとんでもないことになりそうな 気がします。
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