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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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            平成12年8月16日発行
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 この15日に提出された人事院勧告で、公務員の賃金テーブル改訂を 見送ることが事実上決まりました。公務員の労働条件は、基本的に民間 準拠で決めるとされていますが、今年の官民格差は0.12%とごく僅かで あったために、一律のテーブル書き換えは行なわず、扶養手当の増額に 配分することとしたものです(ですから、正確に云えば「ベアゼロ」と いう報道はおかしいんじゃないかと思いますが、どうなんでしょう)。

 公務員は労働基本権が制約されていますし、基本的に営利ベースでは 採算に乗らない(が必要な)サービスを提供しているということもあり、 その労働条件決定にはある程度政策的に配慮しなければならないことは 間違いないと思いますし、民間の生産性が上がったのは公的部門による サービスの結果でもあるという考え方もできますから、民間準拠という 方法は一理あるとも言えます。
 ※もっとも、行政が余計な規制をするから民間の生産性が上がらない、
  という有力な説もありますが。
 ただし、民間準拠を云うのならば、給与体系や、失業のリスクなども 民間準拠にしないと均衡を失することになるわけで、そういう意味では、 今回の勧告が給与体系そのものの見直しに言及したのは妥当であるとも 云えます。人事院が今年民間を対象に実施した調査では9割以上の人が 公務員の給与体系をより能力・実績重視に改めるべきと回答したという データもあります。
 さらに云えば、公務員は、原則的に失業のリスクがないわけですから、 それに見合う分だけは、他の労働条件は民間より低くてもいいはずです。 現実に、学生の就職希望のトップは公務員という状況があるわけであり、 それは市場経済では労働条件を引き下げる要因になるはずです。
 営利ではできない仕事をしているのですから、「赤字だから」という 理屈はおかしいといえばおかしいわけですが、それにしても、これだけ 財政赤字があるわけですから、そろそろ抜本的な制度改革が行われても いいんじゃないかと思いますね。
 
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