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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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            平成12年1月17日発行
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 先週、日経連の春闘セミナーで、連合の鷲尾会長と日経連の奥田会長との トップ対談がおこなわれ、次のような応酬があったそうです。

司会「賃金が上がっても雇用が減ってはマクロでの消費は増えないのでは」 鷲尾「企業が100万人の非自発的失業者を引き受けて、失業率を2%にすると
   約束するなら、ベア要求を遠慮してもいい」 奥田「組合が賃上げを100%消費に回すと保証してくれれば、要求どおり
   賃上げしてもいい」

 賃上げすれば所得が増え、消費も増えるというのは、普通なら当たり前の ことですから、鷲尾氏はそれをやって消費拡大せよという主張。
 それに対して、奥田氏は、現在の消費不振は所得不足ではなく、雇用や 老後への不安によるもので、賃上げは消費に回らないという立場。
 まあ、賃上げしても全く消費が増えないということはないのでしょうが、 はたしてどちらが実態に近いのでしょうか。

 ここ数年、所得が増えないのに消費性向が低下を続け、1200兆円と 云われていた国民の金融資産がいつの間にか1300億円にまで積み上って いる現実を見ると、賃上げしても個人消費が活性化するとは、私にはとても 思えないのですが・・・。

 国民が今いちばん欲しいのは「貯蓄」、あるいは貯蓄がもたらす「安心」 なのでしょうか。

 であれば、「賃上げではなく、企業業績を回復し、経営基盤を強化して、 雇用への不安感を払拭するのが消費拡大に至る道」という日経連の主張には 説得力があるような気がします。
 
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