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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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        平成13年02月01日発行 通巻033号
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 「超氷河期」と言われる新規学卒者の就職戦線ですが、本年3月卒の内定状
況は、11月末・12月時点で、大卒が75%、高卒が69%となっており、
どちらも昨年の同時期を若干ながら上回っています。求人数や有効求人倍率が
把握できる高卒については、やはりこのいずれも昨年同時期を上回っており、
情勢は厳しい中でもいくらか好転しつつあるようです。
 とはいえ、事態はそう楽観してばかりもいられません。この数字は、あくま
で「求職に対するもの」であって、そもそも就職しようという意志のない人は
含まれていないからです。もちろん、高校から大学、大学から大学院に進学す
る人を、内定率の統計から除くのは理にかなっています(とはいえ、最近では、
思うような就職ができない人が進学を選ぶというケースも増えており、特に高
卒で就職も国内進学も思うに任せない人が留学を選ぶという、「デモシカ留学
生」が増えているという話もあるそうです)。しかし、進学はしないが就職も
できないということで、就職希望を取り下げてしまったという人が、内定率の
数字に反映されていないのは、本当は問題なのではないかという意見もあるか
らです。
 もともと、新卒者の中には就職も進学もしないという人は以前から一定程度
含まれており、最近は死語になった感がありますが、「家事手伝い」、あるい
はもっと古典的には「花嫁修業」などという差別的呼称もされていました。か
つては、それは最初から家事手伝いになるのだ、と決めていた人が大多数だっ
た(卒業したら結婚が決まっているというケースもまれではなかった)わけで
すが、最近では、就職先がないから、あるいは、こちらの方が多いのではない
かと思いますが、思ったような就職ができなかったから、やむなく家事手伝い
を選択するという人が増えているのではないかというわけです。そういう人も
全く働かないというわけではなく、アルバイトなりなんなりの仕事はするわけ
で、それが今流行?の「フリーター」ということになるわけです。
 もちろん、善し悪しは別として、とにかく仕事をする気がない、働く意欲が
ないという無気力な若者も増えていて、これも無職やフリーターになることが
多いので、こうした「就職断念組」がどれほどの割合に達しているのかは、な
かなか性格にはつかめないのではないかと思いますが、こうした断念組を計算
に入れると、高卒の就職率は40%台に半減し、有効求人倍率も1倍を切ると
いう試算もあります。
 これは首都圏の調査なので、全国的な傾向を代表していないと思いますが、
昨年(平成12年)1月の高校3年生のうち、正社員就職希望は34%とほぼ
三分の一を占め、別にフリーター希望が12%を占めています。正社員希望者
のほぼ半分はこの時点でも内定を得ておらず、フリーター予備軍と言えます。
それを反映して、フリーターを予定していない人の中にも、フリーターになり
たい、なるかも知れないという人が23%おり、内訳を見ると、正社員就職を
志望しているがまだ内定していない人の42%、進学を希望しているが進学先
未定の人2〜3割が、フリーターになるかもしれない、と考えています。さら
に、当初から就職希望とか、進学から就職への変更など、高校在学中に一度は
就職希望を持った高校三年生のうち、約半数は就職希望を変更しており、三年
の春以降に変更した人の4割はフリーター予定となっています。
 もともと、フリーターという言葉は、バブルの超人手不足の時に、定職につ
かなくても、仕事を選ばなければ仕事には困らず、それなりにいいカネを稼げ
るということで、定職につかずに職を転々とするという「新しい働き方、ライ
フスタイル」を意味するものとして生まれたものです。実際、バブル当時のフ
リーターは、半年は国内で働いてカネをため、のこり半年はそのカネと失業給
付とで、たとえば物価の安い海外で暮らすとか、あるいは古典的なタイプとし
て、俳優や女優、タレント、ミュージシャンをめざして、当面は食うためだけ
に自由度の高い「副業」をする、といったものだったわけです。
 ところが、最近では、「デモシカフリーター」とでもいうべきものが増えて
きているわけです。企業にしてみれば、廉価で柔軟性の高い労働力には一定の
ニーズがあるので、今のところはそれなりにマッチングしているようにも見え
るわけですが、長い目で見れば、そのような人材のニーズはあるところで頭打
ちになるでしょうし、なにより短期間に半端仕事ばかりしていたのでは、将来
身を支える(経済を支えるものでもある)職業能力が形成・蓄積されないので
はないか、ということが心配されています。昨年は「労働白書」でもこの問題
が取り上げられるなど、問題意識は高まっていますが、はたして景気回復以外
に効果的な対策はあるのでしょうか。一方では「パラサイト・シングル説」と
いう有力な意見も出てきており、大げさでなく、わが国の将来を左右しかねな
い問題になってきたのではないでしょうか。

                 (次回は2月5日に配信する予定です)
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