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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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        平成13年05月07日発行 通巻059号
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         <<< 四分五裂の21世紀メーデー >>>

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 さる4月28日、連合の第72回メーデーが例年どおりの代々木公園で開催
されました。今年のメーデーで一番の話題となったのは、ついにこれまでの5
月1日開催をやめ、ゴールデンウィーク初日の4月28日に開催日を変更した
ことでしょう。共産党系の全労連はこうした連合の姿勢を批判して5月1日開
催を継続、会場も昨年まで連合が使用していた代々木公園に変わりました。ま
さに「四分五裂」とは云い得て妙なメーデーとなったわけです。もちろん、連
合内部でも、地方によって温度差があるのも事実で、今年も依然として、いく
つかの地方連合は5月1日に開催していますし、代々木公園での開催を申請し
た団体もあったとのことです(しかし、代々木公園を管理している国は、全労
連の申請に許可を出しました)。連合が開催日を変えたということは、連合内
の大勢がそちらに動いたということなのでしょう。しかし、その一方で、内容
的にはかなり堅めの方向に揺り戻すなど、連合としても緩むばかりではないよ
うです。
 ゴールデンウィークにもまとまった連休をとることが一般化してきたのは、
平成に入って、労働時間短縮の動きがさかんになってきた頃からでしょうか。
それ以来、組合員の中から、「5月1日という連休の途中の日に動員されるの
はつらい」という意見が出始め、また、組合執行部や、労働界首脳の中からも、
「労働時間の短縮、連休の取得を推進すべき労働組合が、連休の真っ最中にイ
ベントを開催するのはいかがなものか」という考え方を示す人も出始めて、地
方連合レベルでは、すでに数年前から、メーデー開催を連休初日に移すところ
が出ていました。
 メーデーというのは5月1日だからメーデーなのであり、企業によっては5
月1日を休日とする旨の労働協約を結んでいたり、慣行としていたりするケー
スは依然としてかなり多いと云われます。この「5月1日」に対するこだわり
が薄れてきたということは、労働組合の組織力の低下を示すひとつのエピソー
ドに違いはないでしょう。
 そういう意味では、メーデーというイベントの内容も変化してきています。
地方連合の中には、集会とともにアイドル歌手のコンサートや大物タレントの
公演を開催して、集客?をはかるという努力をしているところもあるようです。
連合のメーデーも、だんだんとお祭り色が濃くなってきて、昨年の例を見ると
「デモ行進」「中央大会式典」と並ぶ位置づけとして、「くらし元気・ふれあ
い祭り」が開催され、バンド演奏の披露があったり、やきそばやお好み焼き、
ビールなどの模擬店が並び、「家族で楽しむメーデー」という色彩を強めてい
ました。これもまた、「抗議」「行動」「示威」といった、怒りや不満を背景
としたメーデーが後退していくことを示すエピソードでしょう。昨年の代々木
公園で、模擬店の店頭に「領収書発行します」の張り紙を見たときには、労働
運動の退潮をしみじみと感じたものです。
 この点においては、今年のメーデーはかなり傾向が変わりました。まず、昨
年あれだけ賑わっていた模擬店などは一切姿を消しました。そして、昨年は中
央大会の前に実施されていたデモ行進を集会後に切り替え、原則として全員参
加としました。これにより、昨年の公称2万2千人から、今年は10万人に一
気に増えるこのデモ行進には、さすがに小泉首相は参加しなかったようですが、
鳩山由起夫氏や土井たか子女史など、野党の党首は連合の鷲尾会長とともに横
断幕を持って参加するなど、例年にない盛り上がりとなったようです。
 小泉首相が出席したのも大きな話題でした。首相のメーデー出席は村山・橋
本両氏に続いて3人めとのことです。首相は連立組み替えの思惑もからんで連
合との関係の改善を考えているとのことで、この日もあいさつで改革を訴えた
ようですが、鷲尾会長は「自民党政権打倒、政権交代」を訴えて、首相にほと
んどサービスをしなかったようです。このあたりも、日付は変えても甘くはな
らない、というところを訴えようという意図もあったのでしょう。もっとも、
政権との対立度という意味では、自民党が当時の亀井政調会長を中心に政労会
見や産業労働懇話会を開催しなかったり、チェックオフの廃止を打ち出したり
して連合との対決色を強めていた上、当時の牧野労相が「選挙区の事情」で欠
席してしまった昨年の方が強烈だったようには思いますが。
 いずれにしても、一度変えてしまった以上は、もう元には戻せないでしょう。
21世紀という節目でひとつの象徴的な出来事でしたが、これから労働運動を
いかにして再生していくのか、先行きに困難は多いでしょう。今回のメーデー
ははたしてそのいとぐちの一つになりえたのでしょうか。

                (次回は5月10日に配信する予定です)
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