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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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        平成13年01月18日発行 通巻029号
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          <<< サービス残業と裁量労働 >>>

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 連合が一昨年の12月から昨年2月にかけて展開した「緊急雇用実態組合員
アンケート調査」の結果が、昨年11月に結果が公表されました。
 それによると、実際の残業時間が25.6時間なのに対し、残業手当が支払われ
た時間は17.8時間で、その差の7.8時間がサービス残業であると推定されて
います。
 職種別に見ると、技能・現業職が2.6時間とかなり少ないのに対し、事務
職は7.8時間と平均レベルで、専門・技術職は8.3時間と、われわれの実
感からすると案外少ないように感じますが、これは残業そのものがゼロという
人も含んだ平均ですから、残業をしている人の平均はもっとはるかに大きいで
しょう。多いのは営業・販売・サービスで、14.2時間となっています。こ
れは、営業マンにはいわゆる「セールス手当」といった定額の手当が支給され
て、事実上労働時間管理がなされていない例が多いからという面が大きいよう
に思われます。ちなみに、全体の8.7%の人が「そもそも残業手当がない」
ということですが、これも大半はこういったケースでしょう。
 業種別には、金融・保険業が、24.3時間と、支払われている時間12.2時間の
倍近いサービス残業をしていて、他の業種とは大きくかけはなれています。こ
れは、そもそもこの業界の賃金がかなり高いことなど、労働条件や働き方など
における、業界の特殊性による部分も大きいものと推測されます。
 もうひとつ興味深いのは、月間残業時間の多い人ほどその中に占めるサービ
ス残業の割合が大きくなっていることで、これは企業が一定の残業規制を実施
していることの反映でしょう。
 サービス残業は法違反であり、あってはならないことですが、この問題を考
えるにあたっては、労務管理のまずさという面と、法規制が実態に合っていな
いという両面から考える必要があるでしょう。
 先日開催された日経連の春闘セミナーで、日経連の奥田会長と連合の鷲尾会
長との対談がありましたが、その中でも、鷲尾会長がこうしたサービス残業の
実態を紹介し、これをなくすことで雇用を維持・拡大できる可能性を指摘した
のに対し、奥田会長は、「サービス残業というが、技術者などは最後までやり
ぬかないと気がすまないとか、自分の勉強のためにもやりたいとかいうもので
あり、それを全部サービス残業だからやるな、とは言えないのではないか」と
発言しました。鷲尾会長はこれに対して、「奥田会長の言われるような技術者
が裁量労働で働くのは良いのだが、そうでない人まで、あたかもそのような仕
事をしているかのように裁量労働のような働き方をさせられているのが問題」
と答えていましたが、双方ともまことに正論であると思います。
 規制緩和ももちろん必要でしょうが、労働時間管理だけではなく、労働条件
や、働き方や仕事の与え方、あるいは育成、現在に限らず将来期待される役割
なども含めて、総合的に労務管理をきちんと整理して、裁量労働(あるいは労
基法上の労働時間規制の適用除外)にふさわしい働き方・仕事と処遇の人たち
と、きちんと労働時間管理をされながら働くのが望ましい人たちとを、明確に
納得の得られるような形で区分できるような、合理的な労務管理を実現しなけ
れば、この問題の根本的な解決にはならないと思います。今の組織や仕事・働
き方、労務管理のままで、どこかで線を引こうとするから、どうしても不明確
な部分が残り、安全サイドの厳しい規制を行わざるを得ないわけですから。

                (次回は1月22日に配信する予定です)
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