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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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        平成13年07月16日発行 通巻078号
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           <<< 今年の新入社員気質は >>>

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 先月末、毎年行われている社会経済生産性本部による新入社員意識調査の今
年の結果が発表されました。この調査はすでに33回めという長期にわたって
実施されており、その時々の新入社員気質を知るのに好適なデータとして注目
されています。今回は時代背景を考慮して設問の入れ換えを行ったということ
で、それも注目されるところです。
 昨年もこのコラムではこの調査を取り上げ、バブル期の結果との比較を試み
ていますので、今回は主に昨年との比較と、新設の設問を見ていきたいと思い
ます。昨年のコラムはこちら↓です(宣伝)。
 http://www.geocities.co.jp/wallstreet/2659/zakkan/sinjin.html
 それでは例によって定番のデートと残業から見ていきたいと思います。
 デートの約束がある日に残業を命じられたら?回答は昨年→今年です。
「残業する」79%→75%
「デートに行く」20%→24%
 昨年に比べると少し残業するが減っていますが、大きくは違いません。面白
いのは、男性は仕事72%なのに対して、女性は仕事81%とかなり大きくな
っていることです。晩婚化が進む中、男性の立場が弱くなっていることを示し
ているのかも知れません。
 次に、人並み以上に働きたいか?という設問を見てみましょう。
「働きたい」45%→48%
「人並みで十分」43%→39%
 昨年、「働きたい」が「人並み」を十数年ぶりに逆転したのですが、今年は
1%差から9%差に差が開いています。「人並み」が40%を下回ったのは実
に昭和46年以来30年ぶりということですから、この勤労意欲はたいしたも
のです。
 面白いのは、働く目的の調査結果で、
「経済的に豊かな生活」30%→22%
「楽しい生活」26%→35%
「自分の能力を試す」27%→27%
 昨年、調査開始以来はじめて「経済的」がトップになったのですが、今年は
大きく「楽しい生活」に揺り戻しました。「経済的」の22%は昭和52年以
来の低水準で、一方「楽しい生活」の35%というのは平成元年と並んで過去
最高です。これは果たして、今の新入社員は経済的に豊かでなくても楽しい生
活ができるような術を身につけたということなのか、それとも現状で十分に豊
かであるという達観の現われなのか、解釈に悩むところです。ちなみに「自分
の能力を試す」は、実は昭和51年の37%をピークに一貫して減少傾向にあ
り、巷間よく云われる「青年は自己実現を追求する」という通説が疑わしくな
るような結果が出ています。
 もう一つ昨年との比較で目立っているのが、職場で希望する仕事につけなか
ったら?という設問です。
「どんな仕事でも挑戦する」53%→45%
「とりあえず我慢してやる」35%→41%
「仕事の変更を働きかける」 5%→ 9%
 良くも悪くも仕事へのこだわりは強くなっているということのようです。入
社動機の設問でも「仕事がおもしろい」が14%→20%と伸びていて、つじ
つまが合っているようです。
 その一方で、能力・成果主義賃金に対しては、
「業績・能力重視」62%→54%
「年齢・経験重視」13%→11%
 大勢において変化はありませんが、能力・成果主義に対する疑問もかなり意
識されてきたのではないかと思わせる結果になっています。
 新設の設問も興味深いものが多いのですが、たとえばコンビニ、携帯電話の
利用度の設問があります。コンビニについては「ないと非常に困る」が54%、
男性は59%となっています。「しばしば利用する」まで含めると94%とい
う結果が出ています。携帯電話・phsに到っては、「しばしば利用」までで
95%、「非常に困る」が実に76%に達しています。携帯電話が普及する前
に比べると隔世の感がありますが、最近は親元を離れると固定電話をひかずに
携帯電話だけにするケースも多いということですから、そのあたりを考慮しな
ければいけないのかも知れません。
 コンピュータ・リテラシーについても設問がありますが、全体では55%が
「かなり自在に使える」「ワープロ・表計算・メールなどは一通り使える」と
答えています。ただし、これは学歴によって差が大きく、大卒の60%が一通
り以上使え、95%が「初歩的」以上には使えるのに対し、高卒で一通り以上
と答えたのは28%、初歩的まで含めても66%にしかならないという結果に
なっています。
 その他、対人関係については広範囲な人間関係より少数(一人)との深いつ
きあいを大事にし、本音のつきあいを避ける傾向や一人でいることを好む傾向
も見られるようです。また、姓役割意識については、かなり解消されつつある
ものの、「収入は主に夫が稼ぐべき」が60%にのぼっています。このあたり
は、男女がかなりイコールな関係にある学校から、依然として夫が一家の生計
費を稼得することを前提とした企業社会へと環境が変わったことがすでに影響
しているのかも知れません。
 現代コミュニケーション・センター所長の坂川山輝夫氏の命名によれば、今
年の新入社員のタイプは「キシリトールガム型」だそうです(ちなみに昨年の
新入社員は「栄養補助食品型」でした)。そのココロは、「種類は豊富、価格
は手頃。清潔イメージで虫歯(不祥事)予防に効果ありそう。味は大差ない」
ということですが、はたしてみなさんの周囲の新入社員たちはいかがでしょう
か。

                (次回は7月19日に配信する予定です)
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