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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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        平成14年03月04日発行 通巻143号
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         <<< 新規公開の失業率詳細データ >>>

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 1日に発表された1月の完全失業率は5.3%と、前月比0.2ポイントの
低下となりました。このところじわじわと失業率が上昇、毎月過去最悪を更新
し続けていましたので、とりあえずは一息ついたというところでしょうか。と
はいえ、完全失業者数は前年同月比27万人増、有効求人倍率は0.51倍と
横ばいですから、厚生労働省のコメントのとおり、「前月比マイナスとなった
ものの、高水準横ばいと見たほうが正しい」というのが実際のところでしょう。
事実、季節調整前の原数値で見ると、完全失業率は昨年12月の5.0%に対
して今年1月は5.2%と、むしろ悪化しています。個別の数字を見ても、15
歳以上人口が10913万人→10917万人と当然のことながらほとんど横ばいなのに
対して、労働力人口は6699万人から6611万人に減少、就労者は6362人から6267
万人と100万人近い減少となっており、失業者数は337万人から344万人と7万
人の増加となっています。すなわち、それぞれの生データは12月より軒並み
悪化しており、完全失業率が下がったのは、労働力率が61.4から60.6に低下し
た結果(および季節調整)に過ぎないわけです。特に、25歳から34歳の若
年層については、失業者数が減少する一方で非労働力人口は増加していること
から、総務省は「若年層で求職意欲を喪失した人が増えている可能性がある」
とコメントしています。たしかにその可能性もあるでしょう。
 産業別で目立つのは製造業が前年同月比86万人減と大きく減らしており、
規模別にも500人以上が78万人減となっているなど、「製造業の大企業」
で雇用が減少しているという昨今のリストラ傾向と一致する結果が出ています。
フルタイム・正社員が減少してパートタイム・非正規が増加するという傾向も
続いているようです。
 さて、調査結果もさることながら、今回の発表で注目されたのは、新たに二
つのデータが公開されたことです。
 その一つが、都道府県別の完全失業率データです。これまではサンプル数の
関係から必ずしも正確な数値が推計できないとして公表されてこなかったわけ
ですが、このところ地域間での雇用情勢の格差が拡大しているという指摘もあ
り、今回年間のデータが公表されました。97年以降5年分が公開されていま
す。
 これを見ますと、最も高いのは沖縄県の8.5%ですが、次いで大阪府の7.2%、
京都府の6.3%と続いています。近畿地区は、ほかにも兵庫県が6.2%、和歌山
県が5.6%など、非常に厳しい雇用情勢にあります。特に和歌山県は、97年
の2.2%から3.4ポイントの悪化と、全国で最大の上昇幅となっています。
 その他は、おおむね九州・四国や北海道・東北が高い傾向にあり、東京都
(5.2%)を除く関東、甲信越、東海、北陸は低い傾向にあるようで、全体と
しては西高東低の中で、地方ほど雇用情勢が厳しいという状況が見て取れます。
 もう一つ新たに公開されたのが、細分化された完全失業者の離職理由別内訳
で、こちらは四半期ごとの公開となるとのことです。今回の結果を見ると、
「自己都合」が107万人、「定年等」が36万人、「勤め先都合」が110
万人、「学卒未就職」が13万人、「新たに収入が必要」が38万人、「その
他」が33万人となっています。これは初めての調査になるため過去との比較
ができませんが、従来の非自発的離職にあたる「勤め先都合」+「定年等」は
計147万人で、前年同月比で48万人の大幅増となっています。もっとも、
改正雇用保険法により、非自発的失業は自発的失業に較べて失業給付の給付日
数が長くなったため、従来なら自発的(自己都合)であった人が非自発的で申
請するというケースもあるものと推測されます(一部では、公共職業安定所の
窓口で、そうした指導?が行なわれている実態もあるとのことです)。そのた
め、必ずしもこの数字は額面どおりには受け止められない部分があるとは思わ
れますが、それでも定年等を含まない「勤め先都合」が「自己都合」を上回っ
ているというのは深刻に受け止める必要があるでしょう。
 有効な政策決定のためには、まずは実態を正しくつかむことが必要であるこ
とは云うまでもありません。雇用失業情勢の深刻化を受けて、今回から詳細な
データが示されるようになったことは、その意味でたいへん有意義なことであ
ると思われます。一層のデータの充実と公開を期待したいものです。

                 (次回は3月7日に配信する予定です)
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