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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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        平成14年06月20日発行 通巻173号
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           <<< 人生のハーフタイム >>>

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 6月10日は「時の記念日」です。セイコー、シチズンなどの時計メーカー
は、この日にあわせていろいろなイベントを実施したり協賛したりしています
が、その中に「時間」に対する意識調査の実施があります。セイコーは、今年
は今開催中のサッカーW杯にちなんでか、「人生をサッカーに例えたら?」と
いう調査を行いました。「時間」は労務と切っても切れない関係でもあり、今
回はこの結果をご紹介していきたいと思います。ちなみに調査方法はインター
ネットによるアンケートで、回答数は400弱とのことです。
 最初の設問は「人生のハーフタイムは何歳?」というもので、平均は男性が
42歳、女性が40歳です。回答数で見ても「40歳」が男性の約3割、女性
の約2割と多数を占めています。その理由は、男性は「寿命の半分」というシ
ンプルなものが多いようですが、女性は「こどもの自立」が判断基準になるこ
との方が多かったようです。男性では定年年齢である「60歳」が約1割上げ
られているのも目立ちます。やはり定年をもって「第2の人生」ということな
のでしょう。また、年齢が高くなるほどハーフタイムと考える年齢も高くなる
傾向が見られるのも気持ちとしてはよくわかる話です。
 次の設問は「ゴールを決めたと感じたとき」で、男女トータルで見ると結婚
が22%、子どもができたときが17%、仕事や研究を達成したときが14%
という結果ですが、男女別に見ると、男性は仕事や研究が19%で結婚と並ん
でトップになっています。女性は結婚が26%でトップ、以下子どもができた
とき、学校の入学や卒業などと続き、その次が「子どもの人生(結婚・自立・
進学など)」となっていて、仕事や研究はさらにその次となっています。セイ
コーの発表資料を見ると「男性が自分のことを中心に考える傾向が強いのに対
して、女性は子供にとってのゴールもわが事のようにうれしく感じている様子
が垣間見え」るとなっていますが、わが国に伝統的な性役割意識が鮮明に表れ
た結果であると言えると思います。
 それでは「今後の人生でゴールを決めたいとき」はどうかというと、こちら
は仕事・研究が16%でトップ、以下子どもの人生が13%、定年退職と自己
実現が6%で続いています。これまた男女差が鮮明に出ており、男性は仕事・
研究が26%で断然のトップで、次は定年退職が9%とぐっと落ちます。それ
に次いでは、結婚が7%、さらに「株や宝くじで一攫千金」が7%となってい
て、自己中心的で比較的目先のことに目が向いているのに対し、女性は子ども
の人生が20%でやはり断然多く、仕事・研究と子どもができることが8%で
続いています。これを年代別にみると、20代は子どもができること、30代
と40代は子どもの自立、50代は子どもの結婚となっており、子どもの成長
にあわせてゴールを設定しているようです。男性と女性の家庭に対する姿勢の
違いが鮮明に出ており、固定的な性役割意識を払拭していくことがいかに難し
いかを感じさせられる結果といえるでしょう。しかし、男性の「株・宝くじ」
が「ゴール」というのもなんとも情けない結果ですが、これも不況のなせるわ
ざと同情すべきところなのでしょうか。
 あとは、生活の中で増やしたい時間、減らしたい時間ですが、増やしたい時
間の方は男女とも趣味が断然のトップで、次が睡眠というのも同じです。減ら
したい時間の方は、男性は仕事が43%、女性は家事・育児が50%でいずれ
も断然のトップです。男性の2位は通勤で16%、女性の2位は仕事で14%
となっています。面白いのは、女性は7%が「睡眠時間を減らしたい」と答え
ていることで、時間の有効活用をはかりたいということでしょうか。最後の設
問は自由時間の増減を問うものですが、男女ともに増加が約2割、不変と減少
が約4割となっています。
 全体を通じては、やはり男女差の大きさが痛感されます。セイコーの発表資
料は、男性が仕事中心で家庭をかえりみない傾向がはっきり出ていることに対
して、「競争社会がより一層進展する中、結果を残して生き残りたいと願うビ
ジネスマンの気持ち」と同情的な見方をしています。確かに、ここまで経済の
低迷が続き、雇用失業情勢が悪化し、将来の見通しが建てにくい状況の中では、
「21世紀の日本のあるべき姿は男女共同参画社会」というようなことは、仮
にアタマではわかっているにしても、現実問題としてはまずはなにより足元の
現実の中でふりかかる火の粉を払うことに専念せざるを得ないという状況はあ
るかも知れません。実際、妻が良好な雇用機会を得ることが非常に難しく、夫
もリストラの危機にさらされる中では、なかなか「家庭を重視して仕事はほど
ほどに」という行動はとりにくいのが実態でしょう。もともと家庭を重視する
つもりのない男性にはそれがかえって好都合に働いている可能性もあります。
 結局のところ、国民の意識を変えていくという取り組みも、不況下において
はなかなか進みにくいということなのかも知れません。各種の意識調査を見て
も、バブル期に高まった「仕事も家庭も」という意識はこのところ(依然とし
て多数であるとはいえ)低下傾向にあり、それに代わって「仕事優先」が少な
いながらも増えているという結果が見られるようです。わが国の固定的な性役
割意識が今のままでいいと考える人は少数になっていますが、現実に変わって
いくにはそれなりの環境が整うことが必要だということも事実として認めなけ
ればならないのだろうと思います。

                (次回は6月24日に配信する予定です)
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