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          *** 労務屋の労働雑感 ***

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        平成14年05月23日発行 通巻164号
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 新卒就職情報業界ではリクルートに大差をつけられてしまった感がある毎日
コミュニケーションズですが、ウェブサイトではけっこう面白い情報を発信し
ています。今回はその特集の中から、「上司とうまくつきあう方法」をご紹介
しながら、たまには政策を離れて軽めの人間関係ネタを取り上げてみたいと思
います。
 さてこの記事、まずは「上司に嫌われるのはこんな奴」ということで、10
タイプあげられています。
 まずは「挨拶ができない」。記事は「挨拶がない=コミュニケーション能力
がないとみなされ」ると論理的ですが、実際、部下から先にあいさつするのが
当たり前、という封建的な感覚の上司がまだまだ多数派でしょう。管理職研修
などでは「あいさつは上司から率先して」などと言われるわけですが、これは
それをしない上司が多いことの裏返しでしょう。
 次は「飲みに誘ってもいつもNG」。記事は「部下とより深いコミュニケー
ションを図りたいという意志の表れ」だから「自分のアピールの場と考え、積
極的に参加」することを勧めています。まあ、最近は呑み会に参加しない人も
増えてきたので、かつてのように「つきあわないと仕事にならない」というこ
ともなくなってきたようですが、それでもやはり管理職研修などで「仕事に必
要な情報は業務時間内に全員に共有するように」といったことを言われるのは、
やはりまだまだそうでない現実の裏返しなのでしょう。
 その次が「回りくどいイイワケ」「仕事に夢がない」「同僚のみで盛り上が
る」「直属の上司を飛び越え業務を進める」と続きます。「仕事に夢がない」
というのは「仕事に対して情熱を感じられない」ということらしいので、これ
らはまずまず当然の話といえそうです。もっとも、「同僚のみ」「飛び越え」
は上司のキャラクターに問題のあるケースもありそうですが、上司を選べない
のがサラリーマンのつらいところです。
 続くのが「異性の社員に人気」。これは記事によれば「仕事もろくにできな
いくせに、異性の社員にはなぜか人気者。こんな部下は、生理的に嫌いといっ
た上司が意外に多い」ということなのだそうな。うーん、情においてはさもあ
りなんという感じがします。とはいえ、記事がいう「カワイイだけで男性社員
にチヤホヤされているOLなどは、お局上司から睨まれること間違いなし」と
いうのは、「お局」「OL」が徐々に消えつつある今、過去のものとなりつつ
あるようには思われます。
 あとは「気分屋さん」「怒り甲斐がない」と、妥当なところでしょう。最後
は「器用で仕事が速い」ということで、記事によれば「頼りがいのある反面脅
威」「自分の地位に固執している上司などには、目の敵にされてしまう」とい
うことだそうです。普通、出来のいい部下はかわいいものですが、それは上司
自身にもメリットがあるからです。日本企業では部下の育成を上司の役割と位
置づけているケースが多く、特に管理職ともなると部下の業績も職場の業績=
自分の業績という評価をしてもらえるので、出来る部下ほどかわいいというこ
とになりやすいようです。逆に、米国企業では上司はいつ部下にとってかわら
れるかわからないため、あまりできる部下はかえって脅威だというのが普通の
発想だといわれます。どちらが組織として合理的、効率的なのかはわかりませ
んが、こうした記事が出るということは日本企業も米国的な姿に近づいている
ということでしょうか。
 さて、特集記事はこのあと「上司といい関係を築くには」に進みます。最初
に「自分に好感をもってくれる部下に対して、嫌な気がする訳はない。自ら積
極的に上司に関わっていく姿勢こそが、上司とのよい関係性を築き上げるため
の第一条件」という人間関係づくりの基本を述べたあと、具体的に「アピール
しすぎは逆効果」「とにかく真面目なのが一番」と続いています。いたって常
識的な内容で、特に後者は新入社員、若手社員には最善の安全策といえるでし
ょう。
 さらに「タイプ別上司攻略法」と銘打って、「バリバリにデキル上司」には
「とにかく仕事でアピール」、「放任主義の上司」には「逐一上司の判断を求
めず、まずは自分の力である程度の形を作った後に相談にのってもらう」、
「口うるさい上司」には「仕事の進行状況などを随時報告しておく」、「お調
子者の上司」には「仕事とは関係のないプライベートな悩み事を相談してみる」
などとアドバイスしています。「放任主義の上司」は「実は厳しい評価を下し
ており」「見放されるのも非常に早い」とか、「口うるさい上司」は、実は
「自分に自信がなく、部下の責任まで自分で負いたくないと考えている」など、
新入社員にはタメになりそうな指摘もあります。
 全体としては、若干ステロタイプではありますが、なかなかどうして的確な
記事だといえるでしょう。もっとも、この手の話は昔々から言われてきた話で
もあるわけで、案外進歩がないなあという見方もあるのかも知れません。
 まあ、人はみかけによらないもの、理屈どおりにならないのが人間、マニュ
アルどおりにはいかないのが人間関係です。とりわけ、上司と部下ともなれば
世代も違いますから、それなりのフリクションがあるのがむしろ当然でしょう。
ある程度歴史のある企業であれば、管理職はそれなりに選抜された人であるは
ずで、そんなにひどい上司というのも案外いないはずだと気楽に考えるのもひ
とつの行き方かも知れません。

                (次回は5月27日に配信する予定です)
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