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■2001/07/06 (金) 相変わらず吼える亀井静香氏 亀井静香氏が福井市で講演し、竹中経済財政担当相をボロクソに批判したそ うだ。いわく、「間違った考え方に取りつかれた学者崩れみたいな方のように、 国民を不幸にしていくわけにはいかない」、「参院選の正念場の前に、何を改 革すればどんな痛みが出るか国民に明示せよ」、「思い切った緊急経済対策を やれば3〜4%の経済成長が可能」ということだそうだ。要するに、出てくる 痛みが正しく予測されれば選挙には勝てないぞ、ということだろう。 この発言は、当たっていそうな部分もあるが、多くの部分で間違っているよ うに思う。第一に、竹中担当相は「学者崩れ」などではない。なぜなら彼はそ もそも「学者」と呼べるようなものではなかったからだ(たとえば、企業経営 者が引退後に大学教授になっても彼を学者とは呼ばないのと同じこと)。同様 に、彼は「間違った考え方」にとりつかれてはいない。「間違った思い込み」 に取り付かれているのだ(もちろん、正しい考え方も大いにお持ちではあるが。 全部が正しいというわけにはなかなかまいらないだろう)。 「痛みを知らしめれば選挙で負ける」も疑わしい。前哨戦の都議選では、痛 みをひたすら強調した某政党(笑)が惨敗しているからだ。消費税率の引き上 げが争点になった総選挙のように、痛みは現実のものにならなければなかなか 選挙結果に結びつかないらしい。 「思い切った緊急対策で3〜4%の成長」というのは、たしかにその後のこ とを考えさえしなければ瞬間風速では可能かも知れない。その後は国民を大い に不幸にするだろうが。 面白いのは、経済財政諮問会議には他に本間正明氏、吉川洋氏も加わってい るにもかかわらず、マスコミが「学者崩れ」竹中担当相と迷わず断定してい ることだ。まあ、当然といえば当然だけど。 ■2001/07/05 (木) 米軍基地問題に冷静な議論を 北谷町で婦女暴行の容疑に問われている米兵の身柄引き渡し・逮捕が遅れて いる。犯行の証拠は明らかであり、早期の引き渡しを求めたい。ただし、今後 日米地位協定の改定を求めるのであれば、若干戦略的配慮は必要だろう。 米国防総省が引き渡しに難色を示すのは、逮捕後の米兵の司法上の権利が損 なわれるとの不信感のためだという。実際に権利の違いもあるようだが、要す るに、不当な取り調べを受けたり、公正な裁判が受けられないのではないかと いう心配をしているのだ。日本人から見ればずいぶん失礼な言い分だが、我が 身に置き換えてみればその心情には配慮が必要だろう。もちろん、米国には日 本の刑事裁判の公正さを正しく認識してもらわなければならない。双方に正し い理解と相手の気持ちへの配慮がなければ、地位協定の見直しは現実のものに ならないだろう。 そういう意味で、一部市民団体やマスコミが必要以上に感情的な発言を繰り 返していることが気になる。現実のデータを見ると、95−99の5年間で、沖縄 の米兵による犯罪は検挙件数で239件で、年平均50件弱という。沖縄の米 兵は約25000人、家族を含めると約50000人というから、十万人当たり年間二十 数件だ。しかるに、日本の人口十万人当たり犯罪率は、同じ期間で年間1400〜 1700件なのだ。これは認知件数なので検挙率分の差はあるが、それにしても米 兵の犯罪が特に多いとは云えそうもない。ところが、一部市民団体やマスコミ は、米兵が非常に犯罪を多発させているかのように言っている。これは米国の 不信感を高めるばかりで、お互いにとって不幸なことではないだろうか。もち ろん、米国には外国軍が駐留していることに対する沖縄県民の感情に十分配慮 してほしいと思うが、わが国も米兵がいるから犯罪が起きるといった感情的な 発言は戒めるべきだろう。 もっとも基本的な問題の本質は、さまざまな事情で、日本が本来自ら担うべ き世界平和のための軍事的な役割を米軍に肩代わりしてもらっていることにあ るのだろうが、そこに拙速に手をつけることはできないだろう。であれば、本 来矛盾を含んだ現在のあり方を、少しずつより良いものにしていくしかない。 そのためには、お互いに感情的になって不信感を高めることは決して得策では ないと思う。実りある対話ができる環境作りが必要ではないだろうか。 ■2001/07/04 (水) 手詰まり状態の雇用対策 先週金曜日に発表された、厚生労働省の「当面の雇用セーフティネット対策」 を取り寄せて読んでみました。 報道によれば、先週金曜日の坂口厚生労働相の記者会見で発表されたとのこ とでしたので、おそらくは厚生労働省のホームページに掲載されるだろうと思 っていたのですが、同日の他の発表資料は掲載されたにもかかわらず、この資 料だけは掲載されませんでしたので、不審に思いながら厚生労働省職業安定局 に電話でお願いしたところ、快く送ってもらえました。 厚生労働省としては、26日に政府の「産業構造改革・雇用対策本部」の中 間取りまとめが決定されたのを受けて、9月を目処に総合的な政策パッケージ をまとめる予定ということで、今回発表されたのは、この5月の完全失業率が 4.9%と過去最悪に並んだこともあり、当面の雇用セーフティネット整備の ためにただちに実行可能な対策をまとめたもの、ということのようです。 具体的な内容で目立つのは、リストラで多数の離職が予想される企業につい て重点的な再就職支援の実施、募集・採用時の年齢制限の緩和促進、中高年ホ ワイトカラーに対する民間の教育訓練資源の発掘、特定求職者雇用開発助成金 の職安紹介要件の緩和などがあります。 もちろんこれは、「当面の」対策であり、「ただちに実行可能」な対策を集 めたものなので、かなりの程度限界があることは致し方のないところでしょう。 とはいえ、それにしても、内容のほとんどは既存の制度や施策を強化する、あ るいは運用の弾力化をはかるといったものにとどまっており、これが現実に 「セーフティネットの整備」とまで言えるような内容であるという感じはしな いというのが実感です。 実際問題として、すでに10年以上雇用情勢が悪化を続けている中で、雇用 対策として考えられる手段はほとんど打ち尽くしたというのが実情ではないで しょうか。ここ1〜2年の追加的雇用対策は、そのほとんどが既存制度の強化 拡大にとどまっているように思います。職業訓練の成果はこれからという見方 もあるでしょうが、再就職支援という観点からの雇用対策は、完全に手詰まり 状態にあるようです。 あとは、いつ公的な雇用創出という決断をするかというところまで来ている、 ということを感じさせる発表のように感じました。 ■2001/07/03 (火) 「focus」来月で休刊 新潮社の写真週刊誌「focus」が8月7日号を最後に休刊することになった そうです。出版不況を象徴するような出来事だと思います。 ビジュアルな「写真」を主役に、文字による記事を従とした「focus」の創 刊は、わが国では全く新しい「写真週刊誌」の出現で、たしかに非常に目新し いメディアの出現でした。その後すぐ講談社が「friday」で追随しましたし、 従来型の週刊誌も一斉にグラビアページの増強に走ったことも記憶に残ってい ます。 写真が主役ということもあって、いささか興味本位の覗き見的な編集も見ら れたといわれ、また、スクープを追及するフリーカメラマンたち(昔なら「ト ップ屋」とでもいうところか)の暴走などもあり、あまり上質なメディアとい う評価は得られませんでしたが、追随した他誌に比べればアダルトへの依存も 少なかったと思います。部数はピーク時の200万部から最近では40万部に まで落ち込んでいたそうですが、それでも創刊当初の150円という低価格を 維持してきたのは立派だと思います。 しかし、この休刊はまさに時代の流れを反映しているようにも思われます。 何より、写真週刊誌の老舗まで休刊というのには、まさに活字離れも来るとこ ろまで来たという感があります。また、昨今のインターネットの普及によって、 もっとも影響を受けやすい形態のメディアであるとも言えるかも知れません。 さらに、個人情報の取り扱いに対する社会的意識はどんどん高まりつつあり、 こうした形での取材や編集に対する批判も強まっている状況もあります。これ らの事情を考えあわせてみると、このような形態のメディアの役割というのは 縮小しつつあるのだろうという気もします。 ■2001/07/02 (月) 初の女性主席助役 jr東海岐阜駅で、駅長に次ぐナンバー2の管理職である主席助役にはじめ て女性が就任して、話題になっているそうです。jrの現業部門では、駅長と 助役が管理職で、登用試験もあるとのこと。助役の配置はある程度大きな駅に 限られているため、jr東海全体で約500人しかおらず、うち女性が6人と か。主席助役はさらに大きなターミナル駅にしか配置されないため、30人程 度しかいないということなので、なるほどこれは大したことなのでしょう。 ただ、くだんの女性の年齢を見ると(ちょっとマナー違反?)31歳となっ ており、ずいぶん若いところを見ると、これはおそらく「キャリア採用」の配 置なのだろうと思われます。なんでも、すでに東京駅の助役を経験し、岐阜駅 の前は広報部にいたということですから、これはまごうかたなきエリートに違 いありません。とはいえ、これまでのjr(国鉄を含め)に女性キャリアがい なかったわけではないでしょうから、これまでは主席助役への配置は男性に限 っていたのか、あるいはキャリアの配置はなかったのか、いずれかでしょう。 そういう意味では、女性の社会進出における快挙のひとつには違いないものと 思います。jrというと、現場はともかく本社はまだまだ官僚的という印象も ありますので、現場感覚をおおいに身につけて活躍してほしいものです。 ところで、全然関係ありませんが、先日名古屋に出張した時、新幹線ホーム で葛西敬之jr東海社長著の「未完の国鉄改革」が売られていました。なるほ どねえ。 |