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■2001/06/08 (金) 次期連合会長に笹森清氏 連合の鷲尾会長が任期満了(今年10月)にともなって勇退し、後任には現 事務局長の笹森清氏を推す意向だそうです。 鷲尾氏の勇退は既定路線でしたが、後任については電機連合の鈴木委員長、 ゼンセン同盟の高木会長、商業労連の南雲会長などが有力視されていると思っ ていましたので、笹森氏の名前が浮上してきたのは意外な感があります。 もともと、鷲尾氏は鉄鋼労連出身ということもあり、自身は労働運動のリー ダーの中でも先進的な考え方を持ちながらも、組織を維持する必要から守旧的 な労組の意見にも配慮していたという経緯があり、それが指導力不足という形 で不満に感じられる場面が多かったように思います。 そういう意味では、次期会長には守旧勢力を抑え込む腕力の持ち主を期待し ていたのですが、笹森氏は公益産業労組(電力総連)出身でもあり、残念なが ら連合の活動全体が守旧的な方向に戻るのではないかと懸念されます。まあ、 最近は電力業界も規制緩和などの影響で経営方針も労使関係も変質し、春闘で もベアゼロを連発しているくらいなので、以前のようなことはないのかも知れ ませんが・・・。 笹森氏率いる連合があまり守旧的な方針に回帰するようだと、金属労協を中 心とする民間労組がまた分裂する可能性もゼロではないかも知れません。もと もと相当構成員の意見のへだたりが大きい組織なので、それを取りまとめてい くのはたいへんなことなのでしょう。 今や、連合もさまざまな面でこれまでのあり方の見直しを迫られている時代 であり、笹森氏には労働界の体質改善に手腕を発揮されることを期待したいと 思います。 ■2001/06/07 (木) 新しい歴史教科書 扶桑社が出版した中学校の歴史教科書がなにかと話題になっているが、市販 されたとのことだったので買って読んでみた。 なにしろ他の教科書を読んでみたことがないので比較はできないのだが、こ れだけを見た限りでは、諸般の議論は別として、なかなかいい教科書だと思う。 特に、幕末から明治期にかけての書きぶりは生き生きとして迫力があり、少年 少女の歴史への好奇心をかきたて、学習意欲を高めるのに効果的ではないかと 感じた。国際社会の中の日本、という観点を重視しているのも、日本の中で起 こったことの歴史的必然を理解するためには有効だろう。 学習指導要領が付録されており、それと比較してみても、記述は指導要領に 従い、それを逸脱することなく書かれていることが良くわかる。史実の扱いに 関してもバランスを欠いている感はないし、解釈に諸説ある部分については、 必ず両論を併記してバランスを取っている。 なかなか良い教科書であり、仮に私が学ぶにしても教えるにしてもこの教科 書で不満はない。 中国や韓国が、この教科書を不合格にせよとか、修正せよとか主張している のは、それはそれで自国の統治のために必要だからということは理解できる。 しかし、実際に読んでみると、少なくとも内容的に不合格や修正の問題がある とは思えない。たしかに執筆者たちは日頃中国や韓国の政府にとってあまり好 ましくない言動の多い人物であるが、それは不合格や修正の理由にはならない だろう。 国内で一部マスコミなどが熱心にやっている諸般の議論は、結局のところ 「趣味の問題」なのではないだろうか。たとえば、「はじめに」「おわりに」 などの編者の意見を述べた部分については、私から見れば歴史学習の当然の心 構えを述べているだけのことに見えるが、おそらく異なるイデオロギー?を持 つ人には不愉快かも知れないだろう。あるいは、随所で日本の為政者たちが国 際社会の中での独立を保つことを意識していたことを述べていることも、見る 人から見れば国粋主義的?に見えるのだろうが、私には特段そのような印象は なかった。 まあ、こういうことは見る人の見方によっていろいろだろうが、そういうの を「趣味の問題」というのである。 ■2001/06/06 (水) 連合の「反対」「要求」体質 政府の「新市場・雇用創出に向けたいわゆる『平沼プラン』」では、有期雇 用契約、裁量労働、労働者派遣の規制緩和を提案していますが、これに対して、 連合が案の定激しい拒否反応を示しています。経済財政諮問会議の専門調査会 の「緊急報告」の「5年間で500万人の雇用創出」についても、「これまでの トレンドを基本に政策効果による前倒し部分を加算した計算上の仮説にすぎず、 政府として責任をもった雇用政策を示したものではない」と批判しています。 この指摘はまことにもっともなものだと思います。 確かに、そもそも、これら規制緩和が「新市場の創出」につながるとは到底 思えず(低労働条件労働を増やすという意味で雇用が『創出』される可能性は ありますが)、根本的なところで齟齬があることは事実です。 また、政労使三者による議論を経て決まってきた労働法規について、経済産 業省が一方的に見直しを提言することへの抵抗もあるでしょう。 とはいえ、連合としての対案が「政府は、『雇用創出型の構造改革』という 視点を政策全体の基本に据え、具体的な雇用創出の数値目標を示した積極的な 雇用政策を早急に打ち出すべき」という、まるっきり政府頼みの姿勢というの も、いかがなものなのでしょうか。 連合には、雇用問題の責任能力ある当事者として、要求するだけではなく、 自らどのような努力をするのかを示してほしいものだと思います。少なくとも、 裁量労働や労働者派遣に関しては、依然として実態と法規制の乖離は大きく、 それを非難し否定するだけではなく、実態をふまえた現実的な議論を行なう柔 軟性を持つべきではないでしょうか。実際、裁量労働などは一層の規制緩和に 前向きな単産もあるわけですから。 ■2001/06/05 (火) 日経は奴隷貿易を奨励するのか emsというのが流行している。複数企業から生産を受注してスケールメリ ットを出そうというもので、アジアで勃興しており、日本国内の生産を移管す る動きもさかんである。 今日の日経に、このemsを礼賛し、それをネタに日本をこきおろす記事が 掲載されていた。言いたいことは、emsが成功したのは中国では内陸部の、 台湾ではタイ人などの安価な臨時の期間労働力を大量に活用しているからであ り、日本には長期雇用の慣行があり外国人も使えないからダメだというのであ る。日経の人間軽視(というか蔑視)もここまで来ると救いようがない。 「安価で臨時」というが、要するにこれは人間の使い捨てである。自国民を 使い捨てにするというのはまことに悲しい話だし、海外から導入するのはほと んど奴隷貿易ではないのか。普通そういう国は先進国とは言わないし、日経の ごひいきの米国だってもちろんそんなことはしていない。 「変化を好む、好まない」というのも、途上国であれば経済水準の向上につ ながる変化は大歓迎だろう。現在の水準が高ければ変化やリスクのコストが高 くなるのは経済学の初歩的な常識だ。本質を見誤ったコメントを表面的に引用 し、それをつなぎあわせてデタラメを書いているし、まことにお粗末きわまり ない。 まあ、お粗末はご愛嬌としても、人間として基本的な倫理すら欠落している のは情けない話だ。 ■2001/06/04 (月) 勝者の傲慢 最近、ユニクロを展開するファースト・リテイリング社長の柳井正氏がきわ めて意気軒昂である。いわく、「泳げない人は沈めばよい」、セーフガード発 動要請に対して「冗談じゃない」、そして「弱肉強食の社会になるのが当然」 などなど、まさに凱旋将軍もかくや、と思わせるばかりの発言ぶりだ。 私は「泳げない人は」発言を目にした日からユニクロ製品は一切買わないこ とにしているが、ここまでくるとうんざりである。誰かこの人をなんとかして くれないものか。 勝者が大いに息巻くのはよい。回りがチヤホヤするから、よけいいい気にな るというのもわかる。それにしても、氏の一連の発言はあまりにも思いやりを 欠き、冷酷である。ユニクロに会社の存続と自身の生活を脅かされている業者 はまさに「冗談じゃない」だろうし、勝ったもの、強いものが能力に応じた負 担を行うのが近代国家というものだ。 彼は本当に幸せなのだろうか、疑問に感じる時がある。俺は勝ったのだ、負 けた奴はみなのたれ死にすればよいのだ、と吼えることでしか、あさましい優 越感を満足させることができない、気の毒な人なのではないか、などとよけい な心配をしてしまいそうになる。 社内でどういう経営をしているのか知らないが、この人の部下はかわいそう だ。社員だって、こんなことを言う社長の下で働いていて気持ちがいいだろう か。たぶん社内も弱肉強食の使い捨て人事が行われているから関係ないのだろ うが。 |