■2001/07/20 (金) は祝日のためお休みをいただきました。

■2001/07/19 (木) いすヾの希望退職、2時間で終了

 ここ数年業績低迷に悩むいすゞが700人の希望退職に踏み切りましたが、
受け付け開始からわずか2時間あまりで応募者が700人を超え、終了したと
のことです。大型自動車メーカーは生産活動の鈍化や建設投資需要の低迷でど
こも非常な苦戦を強いられていますが、いすゞの場合、リストラの一環として
乗用車事業から撤退して大型専業化したことがかえって裏目に出た感もありま
す。
 ただ、この話はちょっと気をつけて見なければならない事情があります。そ
れは、今回希望退職に応じた700人に対しては、いすゞが再就職をあっせん
する予定になっていることです。もちろん、自力で再就職するあてのある人、
この際家業などに専念、あるいは引退しようという人まであっせんすることは
ないでしょうが、それ以外はどうやら会社が再就職先の面倒を見るということ
らしいので、これはほとんど「出向→転籍」と変わりはありません。おそらく、
割増退職金の支払などを考慮しても労働条件の低下などをともなうことや、指
名でなく希望による人選を行うことなどから、「出向→転籍」ではなく「希望
退職」という形をとったのでしょう。
 あまり知られていませんが、日産がリバイバル・プランで村山工場を閉鎖し
たときにも、家庭の事情などで栃木や横須賀への異動に応じられなかった人に
ついては、割増退職金などの上積みに加えて、ほぼ全員に再就職をあっせんし
ています(労組も活躍したらしい)。
 最近、希望退職がたくさん埋まるとか、退職者がその後再就職しているとか
いうことが紹介されることが多く、つい先日も、日産の村山工場閉鎖の際の離
職者が全員再就職していることを理由に「一度解雇して失業させてみるのがい
いかも知れない」などという論調を目にしましたが、こうした事実関係をふま
えて議論しなければ大きな間違いを起こしそうに思います。

■2001/07/18 (水) 結局は総会屋に過ぎない

 今週は毎日日経ネタになっていますが、今朝の日経に、元通算キャリヤの村
上世彰氏が経営する投資ファンドが、上場9社の大株主となり、株主への利益
還元を要求、一部は実現させているそうです。
 村上氏のファンドは、昨年昭栄に対する敵対的tobを試みたものの失敗、
最近では各社の大株主となって経営に影響力を行使する戦略に出ているとか。
カネはいったいどこから出ているのが不思議なところですが、どうやら大半は
オリックスから出ているとか。まあ、一つの投資というところなのでしょう。
 このところ株主重視というのが流行でもあり、時流にうまく乗った商売をし
て利益を稼ぎ出している手腕はなかなかのもので、これからはこうしたファン
ドが増えてくるのかも知れません。
 ただ、普通に考えて、元通算キャリヤとかオリックスとか株主重視とかいう
飾りを取ってしまえば、やっていることは「乗っ取り屋」や「総会屋」と大差
ないという印象もあります。もちろん、直接「実弾」を求めたり受けたりする
ような非合法なことをやっているわけではないと思いますが、仮に合法であっ
たとしてもある種の「堅気でない」あやうさのようなものを感じるのが常識的
というものではないでしょうか。
 ですから、この手の商売は大いにやってけっこうという反面、「株主重視」
などといった言葉で飾って正統性や「正義」を虚構しようというのはいささか
望ましくないのではないかと感じます。一大株主の足下の利益を再優先するこ
とが社会的に正当かどうかというのは別の議論があってしかるべきでしょう。
 少なくとも、マスコミがちょうちんを持って英雄視するような論調を採るこ
とは考えものであると思います。

■2001/07/17 (火) 新聞記者に外交官は務まらない

 連日の日経ネタになるが、面白い、というか、おかしな話なのでついつい書
きたくなってしまう。
 このところ、日経は熱心に社外取締役のキャンペーンを張っていて、私はこ

れは新聞社の論説委員とかの再就職対策ではないかと意地の悪い見方をしてい
たのだが、きのう(16日)の日経朝刊の「風見鶏」なるコラムでは、新聞記
者を大使に任命せよ(しかも「主要国大使こそ」と来たもんだ)と主張してい
て、あまりの身びいきぶりに失笑を禁じ得なかった。
 たしかに、民間人を大使に、という考え方はなくはないかも知れない。とは
いえ、槇原稔氏や小林陽太郎氏のような「国際派」経営者が適任だという考え
方は、このお二人がどうこうということではなく、いささか短絡的な発想だろ
う(ご本人たちがお受けになるかどうかはまた別として)。ましてや、世界シ
ステムや特定国の政治事情などの研究者でそれに精通しているからという理由
で、学者を大使にという発想はいかがなものか。諸外国に、そのような事例は
あるのだろうか?
 まあ、要するにコラム子(編集委員 伊奈久喜の署名がある)にしてみれば、
経営者や学者はカムフラージュのためのダシにしか過ぎないのだろう。本当に
云いたいことは、朝日の船橋洋一氏、元産経の古森義久氏(この人の本は本当
に面白い)などを駐米大使や駐中国大使にしたら「面白い仕事ぶりが見られる」
ということであり、もっと云えば、「朝日や産経すら、いわんや日経をや」と
いうことなのだろう。
 外交というのは優れて政治マターであり、交渉ごとなのだから、主要国大使
にはこれらの手腕に長けた人が望ましいことは云うまでもない(したがって、
歴代駐日アメリカ大使の顔ぶれは大いに理解できるものだ)。経済人も学者も
けっこうだが、望ましい資質の持ち主でなければならないことは云うまでもな
いだろう。大使として駐在するのは、島田晴雄氏がメッセンジャー役を務めた
(これはこれで大役だが)のとはわけが違うのだ。
 少なくとも言えることは、大使は「面白い仕事ぶりを見せる」ことが求めら
れる仕事ではないということと、こんなコラムを書くような編集委員や、それ
が活字になっても平気な周囲の人間たちには、およそ務まるような仕事ではな
いということだ。

■2001/07/16 (月) 定年なんていらないのか

 今朝の日経新聞を読んでいたら、「サラリーマン」という連載コラムが「定
年なんていらない」となっていた。
 メディア関連企業部長の某氏、部長になって5年の58歳。「部長になって
からも若手と熱く議論を交わし…部下も信頼してくれる。業績も右肩上がり…」
なのに、いきなり定年退職セミナーを受けさせられてがっくりきて、「定年は
必要だが、せめてその時期を自分で決められれば」という。
 ここから先は私の想像だが、53歳で部長になって58歳でまだ部長、とい
うことは、普通の企業の人事の常識から云って、この先関連企業に出向して6
5歳くらいまで勤めるか、淡々と定年を迎えるのかのどちらかだ。「若手と熱
く議論」とか「部下も信頼」なんてのはもちろん自己満足に過ぎないだろう。
おそらく、社内には彼の定年を心待ちにしている「次期部長候補」が何人もい
るに違いない。こういう人に円満に退職してもらうために、定年制は必要不可
欠なのだ。もちろん、彼が本当に余人をもって代え難い人材であれば、当然企
業は定年を超えても雇用するだろう。そういう人はふつう58歳までに役員に
なっているだろうが…。
 この記事には、大手電機メーカの若手が、「部長が新事業の企画を『リスク
のあることは私の定年後にしてくれ』とつぶした」と訴えたという話も出てく
るが、これももちろん、「私はそんな無茶な企画は許さない」ということを文
学的?に云ったに過ぎない。むしろ、リスクを取って失敗しても定年までの雇
用が確保されるからこそ、リスクを取りやすいというのが定年制のメリットで
あり、それを生かすことを考えかければなるまい。
 どうも、日経の記事というのは、こういう「サラリーマンのこぼし話」を真
に受けて書かれていることが多く、さぞかし純真な記者が書いているのだろう
と思って笑えてしまう。確信犯なのかも知れないが。
 ところで話が変わるが、週末の報道で塩川財務相と日経連が懇談会を行った
という記事があり、その中で「日経連は、雇用の受け皿づくりなどのセーフテ
ィネットの拡充を訴えた」とあったのには感心した。さすがに日経連は、雇用
に直接結びつかない「教育訓練の強化」「所得保障の長期化」などはセーフテ
ィネットの「拡充」とは云えないということをよく承知しているようだ。

                 






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