■2001/12/29 (土) 年末年始

 「吐息の日々」は、12月29日から1月3日までお休みをいただきます。

 今年のはじめ、年末には小泉純一郎が首相になっているとは思いもよりませ
んでした。その他にも、意外なことがたくさん起こった年でした。
 来年はどうなりますことやら。よいお年をどうぞ。

■2001/12/28 (金) 2001年労働10大ニュース その2

 きのうの続きです。今日配信された「jil労働情報」を見たら、やはり
「今年の労働10大ニュース」の記事がありました。みんな考えることは同じ
ですね。内容は微妙に違っていて面白いところです。
 さて9位はまたも過去最低に終わった春闘。もはや今さらという感もありま
すが、やはりこのくらいの位置には入るでしょう。
 8位には、ついに診療報酬が引き下げられたことをあげました。これまで医
師会の強大な政治力によって着実に引き上げられてきた診療報酬、これは意外
に大きな一歩かも知れません。
 7位は、採用・募集時の年齢制限撤廃の努力義務化です。知り合いの採用担
当者に聞いてみたところ、年齢制限をやめたことで中高年の応募はかなり増え
ているようですが、案の定採用はほとんど増えていないということで、これは
やはり企業実務への影響は甚大なようです。
 6位と5位はセットで、雇用情勢悪化がここまで深刻になってきたことから、
従来にない対処が労使双方から出てきました。実際、今現在の状況を考えれば、
賃上げより雇用にエネルギーを使ったほうがいいことは明らかなわけで、来年
の春闘の行方が注目されるところです。
 4位には確定拠出年金の導入をあげました。まあ、内容的にはまだまだ大し
たものではないわけで、どれほど普及するかは疑問ですが、考え方という意味
では大胆な変化なので、一つのエポックには違いないでしょう。
 2位、3位は組合関係で、自治労の不祥事にはまことにあきれるばかりです。
すべての労組がそうだということではないでしょうが、労組の内包する腐敗へ
のリスクを表面化させた事件であり、すべての労組の自戒を求めたいところで
す。連合事務局長代行を務めた後藤森重氏が当事者として深く関与していたと
いうのも衝撃的でした。
 連合は今年、笹森新体制に移行しました。公益労組出身ということで、反動
化が予想されましたが、今のところはむしろ先進的な方向に触れているようで
す。笹森氏個人のスタンドプレーと見る向きも多いようですが、ベア目標見送
りやワークシェアリングにともなう賃下げ容認など、現実をふまえた対応と言
えるでしょう。今後の指導力に期待です。
 そして、1位は過去最悪を更新し続けた完全失業率ということになりました。
11月はついに5.5%にまで達しましたが、来年はぜひともこれが低下に向
かうことを期待したいものです。

■2001/12/27 (木) 2001年労働10大ニュース その1

 今年もいよいよ明日は御用納めというところまで来ました。というわけで、
今年1年を振り返って「労働10大ニュース」を選んでみました。

1.完全失業率5%を突破、過去最悪5.5%まで上昇
2.連合新会長に笹森氏
3.自治労で大規模な不祥事
4.年金2法成立、確定拠出型年金拡大へ
5.連合、ベア要求目標設定を見送り
6.日経連と連合が「雇用維持に関する社会合意」推進宣言
7.改正雇用対策法成立、募集・採用時の年齢制限撤廃が努力義務化
8.診療報酬引き下げへ
9.春闘賃上げ率過去最低の1.93%
10.アジア・太平洋経営者団体連盟発足

 このほかにも、失業給付が大幅に見直されたり、大企業が相次いでリストラ
計画を発表したり、未払い賃金立替の上限が引き上げられたり、労働安全衛生
マネジメントシステム・ガイドラインがiloで承認されたり、あるいは国労
が四党合意の受け入れを決めたりと、さまざまな動きがあった一年でした。
 個別に見ていきますと、10位の「アジア・太平洋経営者団体連盟発足」と
いうのは「何だこれは?」という人も多いのかも知れません。私のホームペー
ジでも全然取り上げていなかったのですが、今年の8月に、日経連を中心とし
てアジア・太平洋19か国の経営者団体が集まって、アジア・太平洋ブロック
のナショナルセンターが結成され、日経連の奥田会長が初代会長に推されたの
です。労組の国際連帯は進んでおり、iloにもブロック組織がありますが、
経営者団体はブロック単位の取り組みが遅れていました。当面はゆるやかな連
合のもとに活動するとのことで、報道などでの取扱いもまったくもって地味な
ものでしたが、業界にとっては意義深い一歩であり、10大ニュースに入れる
価値は十分あるものと思います。
 その他は、厳しい雇用情勢や財政状況を反映した内容が並んでいますが、続
きは明日の日誌で書きたいと思います。

■2001/12/26 (水) インターネット採用の落とし穴

 関西の有名私大で、大学のイントラネットを不正利用し、友人のidを使っ
て友人が就職内定していた大手企業の人事担当者に内定辞退のメールを送りつ
けるという事件が発生したそうです。それだけではなく、被害者の内定先企業
からの確認のメールにも応答したり、さらには内定先企業の人事担当者を装っ
て、被害者あてにあたかも内定が継続しているかのようなメールを送ったりも
していたという念の入れ方だったといいますから、まことにあきれた話です。
 いつのまにか内定辞退にされているのに気づいた女性が警察に届け出て、警
察のハイテク犯罪専門組織がアクセスログをたどったところ、犯人は同じ大学
に学ぶ学生で、不正アクセス行為禁止法違反容疑で逮捕されたとのこと。ホス
トから被害者のidとパスワードを不正に入手したということのようですが、
それだけの知識があれば、イントラネットでこんなことをすればだいたいログ
から足がつくとわかりそうなもので、なにを思ってこんな犯行に及んだのか、
まったく理解できません。犯人自身も別の大手企業に就職が決まっていたとい
うことですから、就職が決まらないことにキレての犯行ではなさそうです。
 気の毒なのは被害者で、せっかくの大手企業の内定は結局復活させてもらう
ことができず、いまだに就職先が決まらない状態だとか。情においては復活さ
せてあげればとも思いますが、選考試験なども済んで、定員一杯の採用が決ま
った後では、これだけ少数採用のご時世ではなかなかもう一人、とはなかなか
いかないでしょう。
 まあ、基本的には大学と本人がセキュリティをきちんとしていなかったこと
に問題があるということでしょう。とはいえ、内定辞退というのはかなり重大
な内容ですから、メールのやりとりだけで受け付けてしまった企業の側も軽率
でしょう。もっとも、これはかなり結果論くさいと云われればそれもそのとお
りで、私自身が担当者であったとしても、学内から本人のアドレスで辞退のメ
ールが来て、確認のメールにも「申し訳ありません」と返信が来たとすれば、
何の疑いも持たずに信用してしまいそうですが。
 インターネットは採用活動に非常に便利に使われており、買い手市場が続く
かぎりこの状態に変化はないでしょうが、その便利さが、うっかりすると落と
し穴になりかねないわけで、企業も学生も十分気をつける必要があるというこ
とだと思います。

■2001/12/25 (火) 失業者の集計区分を細分化

 来年から、「労働力調査」の失業者の内訳が細分化されるというニュースが
入ってきました。現在、失業者は「自発」「非自発」「学卒未就職」「その他」
の4つに分類されていますが、このうち「非自発」を「定年・雇用契約満了」
と「(その他の)非自発」に、「その他」を「収入を得る必要が生じたから
(新たに求職をはじめた)」と「(その他の)その他」に分けるのだそうで、
調査は毎月行い、公表は四半期ごとに行うとか。集計が安定したら、早期に毎
月発表にしてほしいものです。
 これまで、「非自発的失業」の中には、倒産や解雇などで失業した人のほか、
定年退職や契約期間の満了で失業した人も含まれていました。ところが、定年
退職や契約期間満了もたしかに「自ら退職する」という「自発的」退職ではな
いにせよ、事前の予測が可能なうえ、特に定年退職には相当額の退職金が支給
されることが多く、単に失業給付受給のための「仮装失業」になっているケー
スも事実上多いなど、倒産や解雇などによる失業とはその深刻さや対策の必要
性の点で大きな違いがあるという指摘がなされてきました。今回、それらが区
分されて集計されることは、より適切な政策を検討するために有意義なことで
あると思われ、高く評価したいと思います。欲を言えば、契約満了の中でも、
長期間反復更新してきた契約を打ち切られた人と、最初から短期でというつも
りで実際にそうなった人とでは内容的には大差があるわけですが、いたずらに
細分化することがいいとも思えませんので、このあたりが現実的なのかも知れ
ません。
 「その他」に関して「収入の必要が生じた」を追加したのは、夫の減収や必
要支出の増大により「家計の必要に迫られている」という、より深刻・緊急な
求職者を層別しようということでしょう。ただ、これは現実の調査ではほとん
どの場合「収入の必要が生じて」に分類されてしまいそうな気はします。もち
ろん、「子育てが一段落したから、特におカネは必要ないけれど時間を有効に
使うために働きたい」というような人ももちろんいるでしょうが、その一方で、
おカネはあるに越したことはないわけで、「収入の必要はないけれどとりあえ
ず求職をはじめた」という人は現実にはあまり出てこないのではないでしょう
か。まあ、このあたりは調査員がきちんと回答させるように誘導するというこ
となのかも知れませんが。

■2001/12/24 (月) 振替休日

 12月24日は、23日(天皇誕生日)の振替休日のため、「吐息の日々」
はお休みを頂戴します。

 「国民の祝日」が日曜日にあたるときは、その翌日を休日とすることになっ
たのは、昭和48年4月のことです。ずいぶん以前の話ですね。今では祝日が
土曜日に当たると損したような気がする人も多いのではないでしょうか。
 ちなみにときの首相は故田中角栄氏。故大平正芳元首相が外相、中曽根康弘
元首相が通産相で入閣しています。

(「吐息の日々」は、12月29日から1月3日までお休みをいただきます。
     次回は1月14日に1月4日、7〜11日分を配信する予定です)






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