■2002/01/25 (金) 30歳で格差1.8倍

 今日の新聞報道で、キャノンの賃金制度改訂が報じられていました。それに
よると、定昇制度の廃止、家族手当・住宅手当など手当類も全廃して、成果と
能力だけで給与が決まるしくみにかわるのだとか。
 このご時世に労組がよく定昇廃止を呑んだものだと思いますが、成果と「能
力」だけ、と「能力」が入っているところを見ると、基本的には職能給は残る
のでしょう。ちなみにこれら手当などの廃止で出てくる原資は賞与に配分する
ということですが、「総人件費は増える」ということですから、おそらく会社
の持ち出しで、当面は制度変更で賃金が下がらないように調整給なども設ける
のでしょう。
 ここまでは、文面で見るよりは穏当な改訂かなと思っていましたが、30歳
大卒で格差が1.8倍というのはちょっと驚きです。キャノンの30歳大卒だ
とだいたい月例+賞与で年収700万円〜800万円くらいというところだと
思うのですが(山勘)、1.8倍ということは上下4割、500万円〜110
0万円くらいの差がつくということになります。
 まあ、これも、賃金も賞与も人事考課が最低点と最高点、昇格スピードの違
いで職能資格も違うといった「理論上」の最大格差で、さすがに現実にはそこ
までは行かないのだろうとは思いますが、それにしてもすごい格差です。
 はたして年収600万円、現実には話半分で300万円としても、これだけ
の格差をつけて納得の得られるような評価ができるのでしょうか?興味深いと
ころです。

■2002/01/24 (木) 管理体制の不備で起きる不祥事

 雪印食品の関西ミートセンターで、狂牛病対策にともなう国産牛買い取り制
度を悪用し、豪州産牛肉を国内産といつわって助成金を騙し取るという事件が
発覚しました。まことに卑しい根性であり、計画的でもあるなど、嘆くべき不
正行為であると言わざるを得ません。
 報道によれば、狂牛病発生後、出荷先から大口のキャンセルが相次いだ結果
在庫が山積し、その処理を迫られての暴走だったということです。もともと不
況と親会社のスキャンダルで経営不振、そこに発生した、あきらかに個人や一
企業の努力を超えた異常事態の中で、国内産であれ豪州産であれ狂牛病の影響
で販売できなくなった在庫であるには違いなく、であればいずれも助成金を得
てもいいではないかとの身勝手な理屈を思いついたのでしょうか。
 第一に本人の責任が厳しく問われるべきことは当然ですが、行政の対応も、
「国産牛の安全確保・国内畜産業者の保護」には妙に手厚く、流通過程全般へ
の配慮には欠けていたのではないでしょうか。
 それより何より、私がにわかに信じがたいのは、こうした不正行為を行って
も「ごまかせる」と考えたということです。たしかに、業界団体をあざむいて
助成金を得ることは難しくなかったのかも知れません。しかし、企業における
普通の管理が行われていれば、経理や入出金、入出庫などの基本的な管理項目
のあらゆるところで矛盾が出てくるはずです。それでもなお帳簿操作などで
「ごまかしきれる」と考えた上での行為であるとすれば、企業としての管理体
制がいかにもづさんであるといわざるを得ないのではないでしょうか。もちろ
ん、過度に管理職の責任を問うような風潮があったのではないかなど、人事管
理面でも問題もあるのでしょう。
 この事件で、牛肉卸値も食品株も大きく下がったということで、事件発覚に
よってさらに牛肉の販売は不振となり、業界の業績も悪化すると見られている
のでしょう。結局はわれとわが首を絞めることになるだけなのですが、それで
も平常心ではいられない人間の弱さというものなのかも知れません。

■2002/01/23 (水) 「学力向上アピール」の具体化を

 先週、遠山文部科学相は、「学力向上アピール」を発表しました。学習指導
要領は「最低基準」であるとして、習熟度別に発展的な学習に取り組ませたり
放課後の補習や早朝学習を課すことや、朝の読書活動、宿題や課題学習を奨励
するといった内容となっています。小中学校の教科書についても、次回の検定
からコラムや参考資料などで指導要領を超えた発展的な内容の記述を容認する
方向で検討するとの方向性も打ち出しました。文科省は「方針に大きな変更は
ない」としているとのことですが、少なくとも従来指導要領は事実上「上限」
とされてきましたし、同省幹部(というか、もっぱら寺脇研氏)の「義務教育
では全員が満点を」などの発言を思えば、大幅な方針転換と言えるでしょう。
 わが国児童・生徒の学力低下が懸念されていることに対し、文科省はこれま
で「証拠がない」としてかたくなに否定してきましたが、百歩譲ってそれが事
実だとしても、今春から施行の新学習指導要領のもとにおいては学力の低下は
必至であるだけに、基本的には今回の方針転換は大歓迎したいところです。と
はいえ、大きな方針転換であればあるほど、現場を動かすためには詳細かつ具
体的な指示が必要でしょう。
 タテマエはともかくとして、小中学校であれば現場が考えるのはなにより受
験でしょう。要するに、試験に出ることは教えなければならないし、それを子
どもも親も望んでいるはずです。その良し悪しも議論はあるでしょうが、事実
そうなのですから現場としては致し方ありません。逆にいえば、試験は学習指
導要領の範囲でなければならぬとするのなら、教える方にも学ぶ方にも「発展
的な内容」に取り組むインセンティブは働きにくくなります。
 しかも、高校教育の方も、はたして小中学校でどこまで学び、理解してきて
いるものと考えればいいのか、という問題があります。まあ、教科書は一応小
中学校の学習指導要領にないことは記載すればよい(する必要がある)でしょ
うが、現場としてはほとんどの生徒が既習の内容を繰り返すわけにはいかない
でしょう。
 結局のところ、各高校が「我が校に入学するにはここまで学んできてくださ
い。試験もここまで出します」というガイドラインを作ることが、「詳細で具
体的な指示」に代わることになるのでしょうか。これも議論がありそうですが、
少なくとも独自にこれを行う私学が出てくることを止めるのは難しいように感
じます。

■2002/01/22 (火) 相変わらずの全労連ウェブサイト

 昨日の続きみたいな話ですが、全労連のサイトはどうなってるのかいなと思
って見てみたところ、こちらはもっとびっくり。もともと滅多にアクセスしな
いのでブックマークもなく、検索エンジンから入ったのですが、いきなり
「union home page」というタイトルの英文ページが出てきました。英文で、
ここでは全労連の活動、とりわけ春闘(国民春闘だったか。ちなみにこちらの
英訳は2002 spring labour offensiveらしい)についてごらんになれます、み
たいなことが書いてあり、その下に、全労連と全労連系組織へのエンター(こ
れは日本語のバナー)がついています。英文ページなのにいきなり「english
page」へのリンクが出てくるのがマヌケな感じで、ちょいと無理があるかなと
いう感じもしますが、ねらいとしては、日本の労働運動がすべて全労連のよう
な印象を与えてしまうところにあるようです。まあこれは全労連に限らず、全
労連と同一の政治的指向を持つ人たちに共通・特有の戦術ではあります。相変
わらずのようです。
 で、そこから全労連のページに入りますと、うーん、やはり久々すぎて変わ
っているやらいないやら。そこで「the internet archive」で調べてみると、
どうやら昨年4月には同じような体裁だったようです。こちらは当時からサイ
ト内検索もついていますし、英文サイトといい、今回の連合サイトのリニュー
アルは案外全労連へのキャッチアップのためだったのかも知れません。という
ことは、運動においては化石状態の全労連がitでは連合に先行しているとい
うことで、これはこれでなかなか面白い現象です。
 ついでに内容も見てみましたが、やはり相変わらずのようでした。とほほ。

■2002/01/21 (月) 連合ウェブサイトリニューアル

 今日になって気づいたのですが、連合のホームページがリニューアルされて
いました。リニューアルされてみると以前がどうだったかなかなか思い出せな
いものですが、一見して体裁が変わって見やすく、利用しやすくなった(画面
横幅を640ピクセルから800ピクセルに変えたらしい)ように思われるほ
か、かなりの充実がはかられているようです。
 まず注目されるのが英文サイトが新設されたことです。こちらは国際サイト
という位置づけのようで、連合の国際活動中心のコンテンツになっています。
連合白書の英文版がpdfでダウンロードできるようになっているのはいいので
すが、それが昨年版というのがちょっと泣きです。まあ、海外へ向けての活動
の紹介ということですから、それでもいいということなのでしょうが(今年版
は英訳ができていないということなのか、英訳でもネット公開してしまうと白
書の売れ行きが鈍るということなのか・・・)。ちなみに2001春季生活闘
争は「the spring struggle for a better life 2001」と英訳するようです。
 次に、googleによるサイト内検索がついたこと。これは今まで連合のサイト
で情報を探すときにきわめて不便を感じていた点だけに、ありがたいサービス
の追加です。
 その他、いくつかのコンテンツが強化されているようですが、私の目に付い
たのは「連合に加盟しよう!」が「労働相談」の一項目から独立の項目に格上
げされ、トップページでの位置もこれまでのほとんど一番下からかなり上の方
にやはり格上げされている点です。これは連合の組織化に向けた意欲を示すも
のとして率直に評価しましょう。ところが、内容を見ようとすると「只今制作
中です。今しばらくお待ちください。」というメッセージが・・・。項目タイ
トルを見る限りではリニューアル前と内容的には同じようなので、そのまま移
行すればいいだけの話のような気がしますが、それが「制作中」ということは、
ことによると大幅な内容強化がはかられるのかも知れません。「組合費ってど
う使われているの?」などはぜひ詳細に開示してほしいという気がしますし、
情報公開の時代ですから、大いに期待して待ちたいと思います。

                  






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