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■2002/04/26 (金) 同性愛者に対する差別の禁止とは 報道によれは、アメリカ連邦議会で、労働における同性愛者に対する差別を 禁止する法案(ENDAThe Employment Non-Discrimination Actという、 sexual orientation性的嗜好を含めた包括的な差別禁止法案のようです)が 上院の労働委員会で可決、通過したとのことです。ちなみに、全米50州のう ち、38州が同性愛を理由にした解雇などを法的に容認しているとのことで、 ENDAと同様の差別禁止としているのは12州にとどまっているとか。 一応、宗教団体などについては例外とするとの規定はあるようですが、やは り保守派の抵抗は強いようで、アメリカでも共和党に限らず、民主党の中にも 反対論や慎重論があるということです。今回、上院労働委員会は通過しました が、上院本会議や下院での審議のゆくえは不明確なのが実情のようです。 さて、報道では、雇用や解雇、昇進、報酬など労働条件全般にわたって同性 愛者が同性愛者であるがゆえに不利益を被らないよう法的に保護するとなって いるのですが、sexual orientationということばはもっと広い概念で捉えられ ているのではないでしょうか。場合によっては、ペドフィリアのようなものま でsexual orientationにくくることもあるようです。現にENDAに取り組ん でいるHuman Rights CampaignというNPOがありますが、この団体はそのス ローガンとしてWorking for lesbian gay bisexual and transgender equal rights.を掲げています。前2者は明らかに同性愛者として、後2者までも 「同性愛者」の範疇に含めるのは無理がありそうですが、一応ここまでがEN DAのいうsexual orientationということになるのでしょう。 常識的に考えて(といっても、何が「常識的」か、何が「普通」かというの は大問題ですが)、やはり同性愛というのは不自然ですし、多くの人に不快感 を与えるものであることは事実でしょう。あまりにそれがあからさまな場合は、 職場が耐えがたい雰囲気になることもあるでしょう。そういう場合には不利益 な取り扱いがあっても当然でしょうが、本人が自分の性的嗜好が他人に不快感 を与えることを十分承知しており、そうならないようにしっかり配慮して就労 しているのであれば、性的嗜好のみをもって差別することは不合理だというこ とになるのかも知れません。いずれにしても簡単には割り切れない難しさを含 んだ問題であるように思います。 ■2002/04/25 (木) いかにも不思議な助成金 緊急避難型ワークシェアリングに対する政府の助成の具体案が固まったとの 報道がなされていました。財源は、98年に設立された緊急雇用創出特別奨励 金の使途を拡大することでまかなうとのことです。これは中高年失業者の雇用 助成金として設立されたものの、利用実績はきわめて低調なものにとどまって いましたので、転用自体は合理的な判断と言えるかも知れません。 ちょっと理解しにくいのが、支給要件が緊急対応型ワークシェアリングを実 施しただけでは足りず、さらに新規に雇用することが条件になっていることで す。もちろん、緊急対応型というのは、いずれは操業が回復して人手が必要と なることを想定しているわけですから、新規雇用するのもまったくおかしいと は言えないでしょうが、それにしても緊急対応型ワークシェアリングを実施す るまでに到った企業に、新規雇用しなければ助成金を出さないというのもいか にも無理な話のように思えます。金額については企業規模などによって30万 円から100万円程度ということですが、これは要するにワークシェアリング にともなって一時的に発生する費用(勤務時間変更にともなうシステム対応な どの)を助成するという趣旨なのだそうです。であればなおさら、新規に雇用 することを必要とするという条件は不可解です。 もっとも、この新規雇用についても、常用雇用で30万円、非常用で15万 円がさらに助成されるとのことなので、やはり「助成をするなら雇用を増やす ため」という考え方があるのかも知れません。あるいは、「同じカネをつかう ならワークシェアリング助成ではなく新規雇用創出に」という経済界の主張に 配慮しているのでしょうか。 とはいえ、やはり普通に考えて緊急避難型ワークシェアリングをやるような 企業が、いかに助成が得られるとは言っても新規雇用を増やすはずはないよう に思われてなりません。とすると、またしても使われない制度ができてしまう のではないかと考えるのは心配しすぎなのでしょうか。メーデーを前に、連合 の顔は一応立つことにはなりますが。 ■2002/04/24 (水) IT化についていけない人には 人事院の外郭団体である日本人事行政研究所が大手企業を対象に実施した調 査によると、ほとんどすべての企業が電子メールやインターネットなどのIT 化を進めているいっぽうで、それについていけない社員が約8割の企業に存在 するという結果が出たそうです。 調査は昨年11月に東証一部上場企業およびこれに準じる企業1089社を 対象に郵送によるアンケートで行なわれ、回収率は25.3%だったというこ とです。この手の調査としてはまずまずの回収率といえるでしょう。 その結果、会社として電子メールやインターネット、イントラネットを導入 している企業はいずれも9割を超えています。大手企業ですから当然の結果と いえるでしょう。電子メールが100%でないのはむしろ不思議なくらいです が、外部サーバを使っている企業もいくらかはあるのかも知れません。 事務系ホワイトカラーに対するパソコンの配備状況についても、8割近くが 一人一台以上となっており、企業の情報装備はかなり進んでいるといえそうで す。 問題はその活用状況ですが、「業務のIT化に追い付いていけない社員がい るか」との質問に対しても、やはり8割近くが「いる」とし、その99.5% が「中高年者層に多い」と回答したということのようです。まずまず予想どお りの結果といえましょう。 もっとも、追い付いていけない社員に対する対策に関する設問に対しては、 「特に(対策を)行っていない」とした企業が3分の2以上を占めています。 これは企業の怠慢というよりは、追い付けないなら追い付けないで格別対策を 必要とするほどの不具合は出ていないということなのでしょう。ちなみに具体 的対策をとっている企業としては「自己啓発資金の援助」が15%、「得意と する部署への人事異動」が1割弱となっています。まあ、今のところは若干過 剰設備(!)になっていて、合理化効果も最大限に発揮されているとまではい えないが、さりとてそれで困っているわけでもないということなのではないで しょうか。いかにもサラリーマンの実感に合う結果といえるでしょう。 考えてもみれば、あと2〜3年で定年退職する人が、いまさらITでもある まいというのも実情でしょう。そういう人にカネと手間ヒマをかけて教えるよ りは、彼らには彼らのできる仕事に専念させ、会社生活をまっとうしてもらう のが望ましいというのもよくわかる理屈のような気がします。 ■2002/04/23 (火) 育児休業を充実しても解決にはならない きのう、福井県内のショッピングセンターで、生後11ヶ月の女の赤ちゃん が熱射病で亡くなるという事故がありました。屋上駐車場に置いた乗用車の中 に放置して両親は買い物をしていたということで、きのうの福井市の気温は2 5.0度まで上がったそうですから、どうしてこのような結果が予測できなか ったのか、また、両親ともにいながら、なぜ連れて買い物に行かなかったのか、 まことに理解に苦しみます。保護責任者遺棄致死の疑いもあるとして両親が取 り調べを受けているそうですが、当然のことと言えましょう。 とはいえ、毎年毎年夏場になるとこの手の痛ましい事故が繰り返されるとい う事実に対して、すべて親が悪いとして片付けてしまって本当にいいのか、と いう気もします。もちろん、親の責任は最大であり、いかなる事情があっても 免責されないことは当然ですが、それにしてもこうも毎年同じような事故が繰 り返されるということは、そこから何らかの問題点を抽出し、対策すべきだと いうことを示しているという考え方もあると思います。 今回はショッピングセンターでしたが、こうした事故がパチンコ店の駐車場 で起きることが目立つのが、ある意味で象徴的ではないかと思います。要する に、「小さな子どもがいるとパチンコひとつできない」のです。たしかに、パ チンコは遊びであり、ギャンブルですから、「子どもをほったらかしてパチン コなんかして」という非難を受けやすいですし、あるいはそれが正論でもある でしょう。しかし、子どもが生まれるとしばらくの間は24時間育児に縛られ、 自由がきかず、パチンコ程度の息抜きもできないというのでは、子どもを生も うという女性が減るのも当然ではないでしょうか。 少子化対策が急務とされる中、ともすれば職業と出産・育児の両立、そのた めの企業の取り組みといったことが重視されがちですが、実際にはこうした育 児負担の解消も非常に大きな問題ではないでしょうか。いかに育児休業を設け、 その間の所得を保証し、あるいは現職場復帰や昇進昇格まで保証したとしても、 育児休業期間中が「パチンコひとつできない」生活になるのでは、少子化対策 としての効果も限られているのではないでしょうか。 ■2002/04/22 (月) 緊急対応WSに政府支援という大愚 この週末に大阪府で開かれた政府の「タウンミーティング」で、坂口厚生労 働相が緊急対応型ワークシェアリングを実施する企業への支援を拡大する意向 を示したそうです。具体的な内容については言及を避けたとのことですが、財 源に関しては、これまで「雇用保険の特別会計などから」と述べてきたことか ら踏み込んで、「難しいかも知れないが、塩川財務相と相談し、何とか今年度 の一般財源から支援する方法を考えたい」と述べたそうです。 この問題については、連合は強く政府の支援を求めてきましたが、経営サイ ドは、「基本的に労使自治の問題で政府が介入すべきでない」「すでに賃金カ ットなどで対処している企業に不公平」「失業・転職で大幅に賃金ダウンした 人とも不公平」などの理由から反対を主張してきましたが、最終的には日経連 の奥田会長が「財源があるというのなら、支援してくれるというものを断ると いうわけにもいかない」と折れたという経緯があります。そこで「財源を何と かする」という話になったわけで、「27日の連合のメーデーまでに一定の結 論を出したい」ということですから、まさに連合へのサービスという側面が非 常に強く感じられます。坂口厚労相は与党とはいえ連合との関係は深く、政治 的な配慮による対応とも受け取れます。 もちろん、政府の介入に関しては、経営サイドが否定的で労働サイドは否定 しないというのは双方の立場、理念からして当然でしょう。「賃金カットなど で努力している企業に不公平」というのは、連合としてみれば政府支援の条件 として労働時間短縮などを織り込むことで、単なる賃金カットを防ごうという 意図もあるのでしょうから、「悪いことをした奴が損をするのが当然」という 理屈なのかも知れません。 ここまでは一応理解できるとしても、「倒産、失業、転職といった事情で大 幅な収入ダウンを余儀なくされている人が多数いるにもかかわらず、曲りなり にもクビがつながり、賃金ダウンも比較的小幅で、さらに労働時間短縮の恩恵 もある人が支援されるということで本当にいいのか」という疑問に対する答は どうするのでしょうか。連合はしょせんは組合員のためのものであり、組合が あって組合に入るとこんなにいいことがあるんですよ、という理屈になるのか も知れません。しかし、こんな理屈に政府が乗ってしまうのはどうなのでしょ うか。強く再考を求めたいところです。 |