|
■2002/10/16 (水) 週末の日経 きのうに引き続き、週末の日経からです。13日(日)朝刊のコラム「経営の視点」では、富士通の経営改革が取り上げられていました。 このコラムには「編集委員 関口和一」の署名がありますが、関口氏によれば、富士通の問題点は秋草社長など上層部の意識が末端に浸透しないことにあるのだそうです。アナリストによれば「秋草氏の戦略は基本的に間違っていない」ということで、「従業員や役員OBの反発」でそれが実行できないのが問題なのだとか。 しかし、いくら戦略がよくても実行できないのでは意味がないわけで、従業員の反発があるなら反発を収める努力が必要でしょう。関口氏は、秋草氏が「雑誌の取材で社員を叱咤激励したつもりが暴言にとられ、社内外の批判を浴びた」ために萎縮していると心配しています。 忘れないようにこの「雑誌」の記事を書いておきますと、「週刊東洋経済」の2001年10月13日号のインタビューです。 −−−−−就任以来ずっと下方修正が続いている。社長の責任をどう考えるのか。 秋草「くだらない質問だ。従業員が働かないからいけない。毎年、事業計画を立て、その通りやりますといって、やらないからおかしなことになる。計画を達成できなければビジネス・ユニットのトップを代えれば良い。それが成果主義というものだ」 −−−−−従業員がやらないから、といえばそうだが、まとめた責任は社長にあるのではないか。 秋草「株主に対してはお金を預かり運営しているという責任があるが、従業員に対して責任はない。やれといって、(社長は従業員に)命令する。経営とはそういうものだ」 このインタビュー、聞き手の出来も悪いようですが、計画をたててそのとおりやれと命令するだけで経営できるなら楽なもので、それなら私でもできるかもしれません。日経の関口氏は秋草氏に向かって「このインタビューの勢いでやれ」と、それこそ「叱咤激励」しているわけですが、それでできるほど経営は簡単なものではないはずです。 関口氏は、命令して無理やり働かせ、いうことをきかない人は首を切るぞと脅迫すればいうことをきき、あるいは本当に首を切ればいいと思っておられるのでしょうが、いかにも貧困な人間観のように思います。 ■2002/10/15 (火) 週末の日経 久々の日経ネタ、週末の日経からです。 12日(土)の日経新聞朝刊の1面で、横河電機の生産拠点再編について報道されていました。国内に19ある工場のうち15工場を閉鎖し、4工場に集約するということですから、たしかにかなり思い切った再編といえるでしょう。 あれ?と思ったのは11面掲載の解説記事です。横河電機がこれまで工場再編を本格化しなかったのは「各地域での雇用維持を意識してのことと見られる」と述べ、さらに「今回、同社が『雇用最優先』の”しがらみ”を絶つ決断をした意味は大きく」「他企業に与える影響も小さくはな」いと書いています。なるほど、横河電機といえば雇用重視を掲げる代表的企業のひとつで、その横河が方針変更したことは首切り推進派の日経としては喜ばしいことなのでしょう。 それにしても、どうもしっくりこないので、もう一度1面の記事を読み直して見たところ、それもそのはず、対象者は約千人で「希望退職は募らず」「国内の配置転換で対応」としゃあしゃあと書いてあるではありませんか。15工場で千人(しかも、横河電機本社と対象となる子会社だけで従業員は1万人近い中での千人です)というのは、まあ再編したくなるだろうなという感じがしますし、しかもそれを、希望退職も募らずにやろうというわけですから、これが「雇用重視」でないとしたら一体なんでしょう。たしかに、広域移動をともなう配置転換はあるでしょうが、それをもって「”しがらみ”を絶つ」「他企業に与える影響も小さくはない」というのは、いかにも針小棒大な誇張のように思われます。「横河電機がやったから、それではわが社も」などという企業が他に出てくるということは、ちょっと考えにくいでしょう。 主張を持つのはけっこうですが、それにあわせて事実をねじまげるのはやめてほしいものです。 ■2002/10/11 (金) 構造改革特区 きょう、「構造改革特区推進プログラム」が決まりました。医療や教育への株式会社参入といった象徴的案件が見送られ、医療保険改革や教育改革へのステップが踏み出せなかったのは残念ですが、労働者派遣期間の延長が特区に限らず全面的に行われることとなるなど、評価すべき内容も含んでいます。 注目されるのは、港湾特区で港湾業務の24時間・365日化が認められたことです。港湾は周知のとおり旧弊な労組が強く、それがわが国港湾の国際競争力を殺いできたわけで、今回の特区指定ではたしてそれがどうなるのか、非常に興味深いところです。 せっかくの特区なのですから、登録した企業については労働契約に関する規制を大胆に撤廃した特区も作ってみたら実験として面白かったのではないかと思います。金融業など、規制がない方が効率的な企業が集積して、活力ある特区になる可能性もあるのではないでしょうか。まあ、1年間で評価ということだと効果は出てこないかもしれませんが。 いずれにしても、特区は一種の実験なのですから、自治体の意欲をくんで積極的にやってみればいいのではないかと思います。 ■2002/10/10 (木) ノーベル賞 小柴教授の物理学賞に続いて、島津製作所の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞したそうです。まことによろこばしい快挙です。 とりわけ、今回は民間企業の研究者というところが喜ばしいかぎりです。わが国民間企業の技術レベルの高さを示すものといえましょう。 それにしても、聞くところによれば、まったく思いもよらぬ受賞だったということで、多くの企業に、田中氏のような「新聞に名前の載らない」数多くのきわめて優秀な技術者がいることがわが国の強みであるということをつくづくと感じます。米国のような個人プレー中心だと目立つハデさはありますが、総合力としてはわが国のチームプレイ方式も悪くはないのではないでしょうか。島津製作所には大いにボーナスをはずんでほしいと思いますし、田中氏にはこれからも同社での研究に打ち込んでほしいものです。 なんでも、田中氏は「好きな研究をしたいから」ということで、ずっと昇進昇格を断ってきたとのこと。「好きなことができるなら、カネや地位は問題ではない」社旗を背に、会社の作業着での会見。その笑顔が、実にいい。 ■2002/10/09 (水) つぶしたその後が大切なのでは 竹中経済財政・金融担当相が「大企業といえども容赦しない」なんてことを云ったとか云わないとかで、マーケットには「問題企業58社」がリストアップされた怪文書?が出回っているとか。信憑性のほどははなはだ疑問ながらも、タブロイド夕刊紙のかっこうのネタになっていました。 見ると、建設・流通・不動産や金属素材系を中心に、かなりのビッグネームが並んでいます。たしかにこれらが軒並み倒れるようなことになったらパニックに近い混乱が起こりそうです。 まさかそんなことにはならないでしょうが、その一方で建設や流通、不動産などの業界が供給力過剰であることも間違いなさそうです。やり方はいろいろ考えるべきでしょうが、その供給能力の一部が削減されざるを得ないことも事実でしょう。 そう考えると、今いちばん大切なのは、削減された企業や部門が保有する技術力やノウハウを、いかにして別のところで活用していくのか、という構想力ではないでしょうか。実際、リストアップされた企業の多くは、その技術力などが高く評価されているところばかりです。 整理すればたしかに不良債権は減るでしょうが、それで優れた技術力を無為に失ってしまうのはあまりにも惜しいのではないでしょうか。本当にいま必要とされているのは、つぶせ、つぶせというばかりではなく、その後いかにそれを新しい生産活動、経済活動に再生していくのかという知恵だろうと思います。それがとりもなおさず雇用対策としても優れたものになるのではないでしょうか。 ■2002/10/08 (火) 「WEEKLYれんごう」廃刊 また1日飛んでしまいました。 連合の機関誌「WEEKLYれんごう」が廃刊されたということを今日知りました。どうやら先月一杯だったようで、今月からは連合のウェブサイト上に掲載することとなったようです。 まあ、これまでも内容はずっとウェブサイトに載せられていましたし、私などもこれは購読せずにインターネットで見てましたから、IT化が進む中で自然の流れということなのかも知れません。 とはいえ、実際には、さまざまなセミナーやシンポジウムなどの添付資料として活用されてきたわけですし、組合事務所のキャビネットに毎週ファイルされていくことで、ひとつの史料、資料ともなってきたものですから、やはりIT化だからペーパーはなくてもいいとまで割り切れないのではないでしょうか。 そう考えると、これも連合の退潮を象徴する出来事のようにも思えて、すこし淋しい感も否めません(購読してなかったくせにエラそうですが)。あるいは、組合員減少(=組合費減少)の中で、連合執行部のリストラの一貫ということでしょうか。いずれにしても、組合員の期待に応える効果的な教宣活動を期待したいものです。 ■2002/10/04 (金) どうしろというのだ 不定期更新、と変えたとたんに、早くも今週は4日飛んでもう金曜日。ダメだなあ。 内閣改造で、またぞろ不良債権処理の議論に火がついています。これまで、日本経済低迷の元凶は不良債権であり、これの処理が絶対に必要だみたいな議論がされてきたと思うのですが、いよいよ本当に実行されるかも、という話になると、今度はそれによる景気悪化を懸念して株価が下がったのだとか。いったいどうしろというのでしょう。 それはそれとして、「金融チーム」に入った人の顔ぶれを見ると、なにやら荒っぽいことをやりたそうな面々で、こりゃ本気でヤバイんじゃないかという感じがします。不良債権よりなにより、企業が潰れて失業者があふれるのを見たくて仕方が無い、っていう感じの人もいますし。誰とは云いませんが。 不良債権処理も大切でしょうが、やるなら十分時間をかけて、なるべくソフトランディングに務めてほしいものです。それよりなにより、いくら処理してもデフレが続く限り不良債権は増えるわけなので、なんとしてもデフレを止めることが最優先ではないかという気がしてきました。私はど素人なので何もわかりませんが、インフレ・ターゲティングでもスタンプマネーでも、なんでもやればいいんじゃないかという感じがしています。なにしろ、ここまで異常な事態になっているのですから、相当の異常な政策を採用しなければどうにもならないのではないかと思います。 |