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■2002/12/27 (金) 仕事おさめ また一週間空いてしまった・・・(溜息) 今日はもう仕事おさめです。年末の最終日くらいは書かないと、ということで、きのう、今日の労働関係ニュースについての感想をいくつか。ネタはあるのに書かないというのは、やはりたるんでるということか。 ◆「次世代育成支援」なるもの なんだ、これは!という感じ。まさに役人の裁量行政そのものじゃないか。こんなのがまかりとおるようだと、企業、特に実務家としては泣きの涙です。中には行政ができないから企業に押し付ける、って感じのものも・・・とほほ。あきれたものです。 ◆パート・派遣 1500万人時代 150万じゃなくて1500万ですからねえ・・・ 大事なことは二つあると思います。一つは時間で成果をはかれる仕事とそうでない仕事を区別すること。もう一つは、派遣業者の登録型を減らして常用型をふやすこと。 ◆解雇条件法制化 就規への記載、解雇理由の文書通知は必要なことでしょう。なんといっても非常に基本的な労働条件なのですから。正当理由のない解雇は無効、も、確立した法理なのだから、書くのもいいかもしれません。ただ、「正当理由」につまらないガイドラインみたいなものができて、行政指導がふえるのは困る。 ◆有期契約・派遣期間の規制緩和 実態にあった規制を期待したいものです。 年明けの通常国会で成立させたいということでしょうが、本当にそんなに拙速でいいものかどうか、特に「次世代育成支援」なるものには大いにそれを感じます。 ■2002/12/19 (木) あきれた横暴判決 東京地裁は、国立市の高層マンションをめぐる訴訟で、建築計画自体については裁判所自らが合法であると認めたうえでなお住民の「景観利益」を認めて7階以上部分を撤去せよとの判決を下しました。開いた口がふさがりません。 もともとこの事件、マンション計画を知った住民が市議を動かし、市に新しい条例を制定させて、すでに許可されていた建築を不許可にしようとしたのが発端です。さすがにこんな横暴が許されるわけもなく、今回も建築計画自体は合法とされました。 そのうえで、住民が長年景観を守るために努力してきたことから、景観を保持する利益は保護されるべきとして今回の判決になったわけです。 この事件、印象としては、「いままでヨソモノは排除してきたのだから、今回も排除したい」という絵に書いたような住民エゴという感じですが、それはそれとして、景観利益そのものについては、そういう考え方もあるだろうと思います。ただ、原告が撤去を求めている以上そうならざるを得ないのかもしれませんが、すでに合法に建設されて住民もいる建物を「とりこわせ」という判決はいかにも乱暴です。判決は、景観利益が存在することだけを認めれば十分ではなかったかと思います。利益を守ろうとするのなら、金銭的な和解の方向で指揮すべきでしょう。 業界からは、「景観」のようなあいまいなもので規制されるのではビジネスができない、という反発があるそうです。まあ、近隣住民との話し合いをこれまで以上にしっかりやれ、ということでしょうが、それにしてもビジネス上のリスクを高めるには違いありません。それで地価が下がったりしたら、住民としても本意ではないと思うのですが。 現実には、撤去が命じられたのは4棟あるうちの1棟、しかも賃貸で入居は2世帯だけの建物らしいので、それなりに現実的な判断との評価もできるかもしれませんが、それにしても異様な判決で、控訴審での修正を期待したいと思います。 ■2002/12/18 (水) いい味 また1週間飛んでしまったぁっ!というわけで、とにかく今日は書くことが大事ということでひとことだけ。 日本経団連の「経労委報告」(かつての労問研報告)が発表されて、賃上げ春闘は終焉した、などと、案の定とても厳しい内容になっているようです。 そこで連合もさっそく反論を発表しています。いずれよく読んでコラムのネタにするつもりですが、思わず笑ったのがその中のこの一節。 『「報告」は、「賃上げを要求して闘う春闘は終えんした」と主張しているが、とんでもない。』 そうか、「とんでもない」・・・か。うーん、とんでもないぞ、という気持ちはよくわかります(笑)。でも、労組のこの手の肩肘張ったカタ苦しい文章のなかで、いきなり稚拙な口語調で「とんでもない」と来られた日には・・・いやいや、なかなかいい味出してますね。 こんなことでこんなにウケてる私はバカなのでしょうか??なんにしてもツボにはまった。 ■2002/12/10 (火) 理想と現実 経営不振に苦しむ米国の航空会社のUALがついに米国破産法の申請に到ったそうです。 米国の航空業界は、規制緩和後の過当競争の中で過酷な生き残りバトルが展開されており、人件費の削減や定時運行の確保が各社の至上命題となっています。UALの場合は、経営不振の中で労組が株式の相当割合を保有しているということで、どうしても雇用の削減や労働条件の切り下げといった踏み込んだコスト削減策がとれず、ずるずると瀬戸際に追い込まれたということのようです。ある意味では、数多い労組による生産管理の失敗事例集にまた新しい事例が加わったといえるでしょう。 もちろん、労組が理想を掲げて経営に対して意見を述べることは大切でしょう。しかし、資本主義社会の市場経済の中にある以上は、それは企業経営と両立しうるものでなければならないことは当然です。労組の株式保有による経営参加は、他にもいくつかの試みがありますが、残念ながらあまり成功している事例はありません。企業に限らず、総合病院などでも、労組が経営実権を握った結果、医療スタッフにとっても患者にとっても理想的な病院だが、経営がまったく成り立たないというケースも過去にはあります。結局は、理想を追って経営を傾かせるか、経営を維持するために大幅に理想を妥協するかしかないわけです。ですから、無能な経営陣を追放して、労組が現実的でまともな経営を行うことで業績を改善しているケースもあるようです。 労組の株式保有は、資本主義らしい運動論ではありますが、労組が経営すれば即座にすばらしい企業ができあがると考えるのはかなり無理があるのでしょう。企業経営はそれほど簡単なものではないはずです。発言力の背景として、労組の姿勢を示すという面では意味があるかもしれませんが、経営そのものに関わろうというのは困難も大きいのではないでしょうか。 それなりの経験と知恵をある経営陣を有しているのであれば、ギブアンドテークの交渉に徹したほうが、おそらくは成果も大きいのではないかと思います。 ■2002/12/09 (月) 人選理由を明確に ものの2か月かそこら前に党首選で選んだばかりの党首をひきずりおろし、もっぱら旧党派相互の主導権争いや党運営、党人事を争点(もっとも、自由党と合流するか否かはたしかに大問題ですが)にしている今回の民主党党首選、、まことにもって見苦しいゴタゴタという感は否めません。民主党を支持している多くの労組も苦々しい思いでこれを見ていることでしょう。 それはそれとして、私がちょっと気になったのは、岡田氏が「幹事長は自分一人で選ぶ。論功行賞は絶対にしない」と言っていたことです。鳩山氏が辞任に追い込まれたのが、真偽はともかく「党首選の論功行賞」と取れるような形で中野寛成氏を幹事長に選んだことであったことを念頭においての発言でしょうが、それはそれで本当にいいのかという気がします。 自分一人で、というのは要するに誰の意見も聞かない、ということでしょう。それの意図するところはおそらく、誰か有力者の意見を聞くと「旧党派などの均衡に配慮した」と思われるであろう、というところにあるのでしょう。まあ、一人で決めたところで配慮はできるわけですが、疑いを受けるようなことはしない、ということでしょうか。 さらに難しいのは後段の「論功行賞は絶対にしない」という方です。幹事長といえばナンバー2ですから、腹心の同志を選びたいのは当然でしょう。しかし、腹心が党首選で最大の貢献をしなければそれは腹心とはいえません。対立候補の支持者を選べばたしかに「論功行賞ではない」ようには見えるでしょうが、選挙の経緯はまだしも政策的に大きく違う人をナンバー2に据えるのはいかにも無理があるでしょうし、そもそも受けてもらえるかどうかもわかりません。論功行賞に見えないくらいの距離感で、しかも政策もほぼ一致している人、ということになると、今度は前段の「旧党派などの均衡に配慮しない」という方にひっかかってきます。 現実には、もちろん岡田氏にはすでに意中の人はあるでしょう。それを念頭においた上で、これは旧党派均衡ではない、論功行賞でもない、ということを主張しているでしょうが、言えば言うほどそう見えてしまうのも致し方のないところ。むしろ、〜ではない、〜でもないという消去法ではなく、これこれこういう理由でこの人、と堂々と説明すべきではないかと思います。鳩山氏の最大の誤りもそこにあったのではないでしょうか。 ■2002/12/06 (金) 現場の悲哀 今日は小ネタ2つです。時事通信によれば、総会屋への利益供与が発覚した日本信販で、警察が押収したパソコンに総務担当者の嘆き節をつづった短歌が残されていたということです。「奴らさえなくなりゃ会社も楽になる」「今日もまた皆が稼ぎしその金を奴に届けるこの身悲しき」「妻や子を泣かさぬように思いつつ今日は今日とて危な橋を渡る」といったもので、事件としてはこれも動かぬ証拠というところでしょう。 それにしてもこれらの短歌、誇張抜きで涙なしには読めないものです。少なくとも事件当時、どんなサラリーマンであっても、総会屋担当に回されてしまったらそれはそれとして仕事としてやる以外の選択肢はなかったでしょう。今だって、「勇気をもって告発を」などとキレイ事を言ってみても、現実には難しいのではないでしょうか。労務屋としてはまことにいたたまれないものがあります。 この手の事件、企業がやたらに叩かれる傾向がありますが、一番悪いのは総会屋に決まっています。昨今では、社会正義の虚飾をまとい、株主代表訴訟や情報公開法などを駆使するなど、手口も高度化しています。なんとかならないものでしょうか。 もうひとつ、イージス艦の派遣問題が議論を呼んでいますが、これはすでに派遣されている艦の交替で派遣するということのようです。で、わざわざイージス艦に交替する理由のひとつが「冷房がよく効くから」ということなのだそうです。 某政治家は、「そんなの理由にならない」といってお怒りのようなのですが、これって本当に理由にならないでしょうか。派遣先はインド洋上ということで、日本は冬ですが現地はかなりの暑さでしょう。であれば、就労者の労働環境に配慮して冷房性能の優れた艦に交替するのは立派な考え方ではないでしょうか。 もちろん、ランニングコストも余計にかかるのでしょうし、さまざまな意見があるのにどうしてわざわざ、という意見もあるでしょうから、総合的な判断が必要でしょう。しかし、現場で働いている人は、ともすれば悪いことをしているかのようないわれのない偏見を持たれながらも、自分の仕事にまじめに取り組んでいるわけです。それを考えると、労働環境はどうでもいいといわんばかりの発言には、やはり労務屋としてはいささか抵抗を覚えます。 ■2002/12/05 (木) どこまで進むか規制緩和 油断していたらまたまた1週間飛んでしまいました。週初めに出張があったということもありますが、やはり大半は気合の問題のようです。というわけで、とにかく今日は「書く」ということが最優先課題です。 このところ、労働関係のニュースもなにかと目立ちますが、雇用対策と並行して規制緩和の方も話が進んでいるようです。解雇規制の法制化が目立ちますが、裁量労働や有期雇用、派遣や職業紹介といった規制緩和も進みそうで、まずは歓迎したいところです。 解雇に関しては、濫用法理(合理的理由のない解雇は権利の濫用で無効)を労基法に書き込むことになりそうだということで、本当にそこまで来ていいのか、就業規則の記載事項とするくらいで止めておいたほうがいいのではないかという気持ちはあるのですが、まあいずれにしても労働契約のこれだけ基本的な要素がほとんど判例法になっているのもおかしなものですし、確立したものがあるのですから、成文化するのがいいのだろうと思います。これだけでは実態はほとんど変わらないでしょうが、金銭的解決も入れる方向のようで、これは先行きが注目されます。いったいどれほどの相場観が示されるのか??最初の判決が待たれるところです。 裁量労働と派遣については、法規制と実態が合わない両横綱のようなものなので、少しでも実態に近づけてほしいものです。サービス残業を云々するよりも、いっそ大幅に裁量労働にしてしまって、しかるのちに長時間労働をしないようなしくみを考えたほうが話が早いのではないかと思います。派遣も同様で、もっと現場が働きやすく利用しやすい制度にしてもらいたいものです。 |