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■2003/07/11 (金) ジェネリック医薬品 わが国ジェネリック医薬品業界の二大大手である東和製薬と沢井製薬が、相次いで全国紙に一面広告を打ちました 二大大手、といってもあまり知名度は高くありませんが、これはこの2社の製品がもっぱら医家向けで、いわゆる市販薬を扱っていないせいでしょう。であれば、全国紙一面広告のような大衆向けの宣伝の必要性は低いわけですが、どうやらこれは特定の商品広告ではなく、「ジェネリック医薬品」というカテゴリの広告ということのようです(ちなみに、ジェネリック医薬品というのは新薬の特許が切れたあとに、同じ成分で発売される医薬品のことで、特許代がない分大幅に安価になります)。 まあ、多少は企業の宣伝もあるでしょうが(相当あるか)、それにしても、これはライバルが出すからこちらも出すという類の宣伝ではなく、業界最大手が協調してのキャンペーンというところではないでしょうか。 欧州では、薬剤師が処方箋をみて、同じ成分で安価なジェネリック医薬品への変更をすすめるということもあるとか。医療費高騰のなかで、ジェネリック医薬品は期待がかかる存在です。この2社、近年薬剤費削減などで経営が苦しかった時期もあるようですが、活躍に期待したいものです。 ■2003/07/10 (木) 悪質新聞勧誘員逮捕される たいへん小さなニュースですが、きのうの時事通信ニュースによれば、違法な新聞勧誘を行なったとして、福岡県警が毎日新聞の販売店長ら4人を逮捕したそうです。 具体的な手口は、販売促進用の洗剤を渡し、洗剤の受領書と思いこませるなどして購読契約書に署名させる、という悪質なもののようで、とりあえずは5件が問題になっているようですが、かなり繰り返しやっていたのでしょう。 かねてから脅迫や暴力で購読を迫る悪質な新聞勧誘が問題になっていますが、今回のような手口や、あるいは「新聞名をいわず、現在購読している新聞の契約更新だと思わせて押印させる」といった狡猾な手口も往々にしてみられるのだそうです。 意外と知られていないようですが、新聞の拡張員というのは、配達や集金をする新聞店の従業員とはまた別で、いわばフリーの営業マンがほとんどらしく、新聞店は彼らから契約書を買い取るのだそうです。相場は契約月数×1,000〜1,500円程度とか。これでは、彼らが新聞店や新聞そのものの評判を気にしないとか、暴力的、詐欺的な手口を使ってでも、とにかく契約書に押印させようとするのも当然といえるでしょう。ちなみに、彼らが配る洗剤なども、基本的には新聞店が渡すのではなく、彼らが自分で準備するのだとか。 一義的には拡張員に問題があることは間違いないわけですが、それにしてもこんな方法を続けているということは、結局のところ新聞社のビジネスモデルに問題があるということではないでしょうか。そこの根幹を改めなければ、私たちはいつまでも拡張員に悩まされつづけることになるのでしょう。 ■2003/07/09 (水) まだ高い銀行員の年収 きょうの東京新聞の1面に、銀行が有価証券報告書で開示した従業員の平均年収が掲載されていました。四大グループとりそなで、持ち株会社の平均は39歳5か月で約1,100万円、傘下の各グループの中核銀行5行の平均は37歳で約760万円ということのようです。平均年齢を考慮すれば、りそなが少々落ちるくらいで大きな格差はありません。もっとも、今年はりそなが3割、みずほが1割の年収カットをやるそうなので、格差は広がることになりそうです。 さて、記事は「苦境の中なお高給」と書いていますが、実際、実務家に広く使われている生産性労働情報センターの「活用労働統計2003」にのっている年間賃金の推計値では、35〜39歳の大卒男性で年間693万円、40〜44歳の大卒男性で年間809万円となっていますから、ざっと世間水準の5割増というところでしょうか。中では水準の低いりそなが3割カットをやってようやく世間水準というところです。これに福利厚生の差などを含めれば、世間との格差はさらに広がるでしょう。 もっとも、銀行にしてみれば、ここ数年間はずっとベアゼロですし、賞与もかなり抑制してきているわけで、個人ベースでも年収が増えない、したがって平均では下がっているという実情もあるわけです。ということは、それまでがいかに高かったか、ということになります。 これらの大銀行には、一流大学卒の優れた人材が多数入行してきました。その結果生産性と業績が上がり、賃金が上がったのならなんら問題はありません。しかし、現実には、護送船団方式の中で規制によるレントが発生し、それを従業員で分け取りするという実情も一部は並行して起きていたのかもしれません。その結果が今のていたらくだ、というのは意地悪すぎる見方でしょうが。 ■2003/07/08 (火) 日中のテレビ放送をやめてみては? 東電の不祥事で発電所がストップしているため、電力不足、節電が強く訴えられています。私の職場でも、廊下の消灯、エレベータの一部停止、冷房の設定温度や運転時間の見直しなどが行なわれていますが、とりわけ空調は就労環境に直結するだけにつらいものがあります。 それで思い出すのが、数年前韓国に出張した際に聞いた話で、韓国では日中はテレビ放送をやっていなかったということです。これは省エネルギーのためなのだそうで、エネルギー需要が多い日中は、工場の稼動など経済活動にエネルギーを重点配分するために、テレビ放送はやめているのだと聞きました。ちなみに、これが韓国でインターネットが普及した理由のひとつでもあるそうです。 聞いただけの話なのでどこまで本当かわかりませんが、私が思ったのは日本でもこの夏は節電のために平日は日中のテレビ放送をやめてみてはどうか、ということです。偏見もありましょうが、もともと視聴者がすくない平日日中のテレビ番組は、制作費も低く、質的にも問題が多いといわれます。もちろん、製作会社やタレントなど困る人もいるでしょうし、暴論だと思いますが、それにしても少しは考えてみてもいいのではないでしょうか。 あと、月並みながら、服装、特に男性の服装。本当になんとかならないものでしょうか。逆に、女性社員にとっては今のところひざ掛けの要らない夏になっているようですが。 ■2003/07/07 (月) 「流動化」という語の正しい用法 今朝の日経新聞の「月曜経済観測」に、人材派遣業大手スタッフサービス・ホールディングの岡野保次郎社長のたいへん面白いインタビュー記事が掲載されていました。人材派遣が「雇用の構造改革の代表的な手法」というのは意気込みが現われていて好ましいですし、事実そのとおりでしょう。いっぽうで「既存の規制の中では市場規模は天井」というのも、ユーザーサイドの実務家からみても同感です。 なかでもとりわけ肯かされるのが、「人材派遣を活用することで雇用を流動化し、それまで固定費だった人件費を変動費に転換してきた」「派遣を活用することで雇用の流動化比率を高め」といった指摘で、「雇用の流動化」ということばは、このような意味で使われるべきではないかと思います。これは企業にも働く人にも一定のニーズがあり、労使双方にメリットのあるものだろうと思います。 ところが、一部には成熟産業から成長産業へ労働力が移動する(させる)ことを「流動化」と称する向きがあります。しかし、成熟産業から成長産業への移動は流動的でない労働力にも起こりうることであり、移動の前後でそれぞれ定着することが望ましい(望ましかった)ケースも多いはずですから、これを「流動」というのはなじまないのではないでしょうか。正しく「労働移動」と呼べばいいのではないかと思います。 ましてや、不採算部門から人材を放出することを「流動化」などと呼ぶのは、単なるマヤカシ、議論のスリカエではないでしょうか。 これら3つはそれぞれ全く異なるものなのですから、世間話で包括的にいうときならともかく、政策論などでは明確に用語を区別すべきではないかと思います。 ■2003/07/04 (金) 養成講座補助のねらいは 今朝の日経新聞によると、経済産業省は、若年層の起業や就業につながりやすい映像プロデューサー、フラワーデザイナー、カイロプラクティック師などの養成講座について、優良講座への支援を行なう方針を示したそうです。優良な30社に対して年2000万円を補助し、三年間で一万人の起業・就業を目指すのだそうです。 なにやら横文字でスマートな印象ですが、映像プロデューサーというのは要するに映画やゲームなどのアニメーションやコンピュータ・グラフィックをつくる人でしょう。アニメづくりというのは低賃金・長時間労働でとみに著名ですから、これはたしかに技術を教えれば就業につながるかもしれません。 フラワーデザイナーというのは、ホテルや結婚式場の大きなフラワーアレンジメントを作る人から町の花屋さんまで幅広いようですが、すでに「社団法人日本フラワーデザイナー協会」というのがあって、全国53支部に35,000人の会員がいるそうです。その多くは花屋さんで、ネット求人をみても特段求人が多いとも思えず、これが本当に起業や就職につながるものかどうかはいささか疑問もなしとはしません。「フラワーデザイナー」という名前の格好よさにひかれて資格はとったものの仕事はなし、ということにならなければよいのですが。資格があれば花屋を開いて成功するというものでもないでしょうし。 カイロプラクティック師というのは高齢化社会では成長産業かもしれませんが、いまのところかなりうさんくさい印象のある業界でもあります。しかも、ざっと探した限りネット上での求人は見あたりません。まあ、基本的には個人営業での起業になるのでしょうが、花屋さん以上に成功は難しそうな印象です。 まあ、起業・就職させるのが目的なので、その後までは知らないよ、ということなのかもしれません。そもそも、30社×2000万円×3年で18億円、一万人の起業・就職となると一人当たり18万円。たいしたことができるとも思えません。そのうえ、若年失業者が150万人おり、さらに「学生でも主婦でもない非労働力」の若年が89万人いるわけなので、1万人というのはいかにも小さい数字です。 そう考えると、むしろ主眼は「優良講座30社」の選定の方にあるのかもしれません。記事にもあるとおり、インチキな養成講座業者も多く、これを通じて、不良業者の排除をはかろうというのが本当の意図という可能性もありそうです。 ■2003/07/03 (木) 人減らしが招いた経済停滞 今朝の日経新聞「経済教室」に、日米間の統計の違いを考慮して比較すると、90年代における成長率へのITの寄与は日米同等であるという論考が掲載されています。これまで、90年代の日米経済の格差は「日本がIT革命に遅れをとったから」という云われ方をされることが多かったわけですが、民生分野はともかく、ビジネスの現場を見回せば日本でもIT化による生産性向上はかなり進んでいるわけで、むしろこの「同等」との結果のほうが実感に合っているように思われます。 それでは格差の原因はなにかといえば、資本ストックと労働投入ということになるということで、これまた大いに実感に合っています。ということは、やはり問題は需要不足ということになるわけです。 結局のところ、バブル崩壊で「選択と集中」のリストラに狂奔していたことが経済の停滞につながっているということになるのでしょう。いろいろとやむを得ない外部的要因はあったとしても、人的資源の活用ではなく人減らしに走(らざるを得なか)った企業経営に大いに責任があるといえそうです。 ■2003/07/02 (水) 米国でアファーマティブ・アクションに合憲の判断 米国における少数民族などに対するアファーマティブ・アクションについては、かねてから「逆差別」との批判があって議論になっていましたが、先週米連邦最高裁がミシガン大学のアファーマティブ・アクションについて合憲との判断をくだしたそうです。もっとも、5対4という小差の決定で、しかも少数民族の受験生に対して機械的に得点を上乗せするというやり方については違憲としたそうですから、非常に微妙な判断だったようです。 それにしても驚くのは、150点満点の試験について20点という加点の大きさです。日本の大学入試で、なんらかのマイノリティ・グループに対して無条件に13%ものアドバンテージを与えるということは、よほどのことでなければ容認しがたいのではないでしょうか。 しかし、この「20点」というのは、そうしなければ少数民族が一定割合確保できない、という水準に設定されているのでしょう。ポジティブ・アクションも採用されてすでにかなりの年月が経過しているはずですが、それでもこれだけの格差が存在するということは、この問題の根深さを象徴しているように思えてなりません。それに加えて、それだけの格差があるにもかかわらずこうした措置を「違憲」として訴える人々が相当数いることも見逃せないでしょう。それは「多数派」であるはずの人々の一部が、それなりの規模でそこまで困窮しているということを示しているものと思われるからです。 ■2003/07/01 (火) スピード処分 ちょっと古い話ですが、共産党の筆坂秀世政策委員会・参院議員が、ある女性が同氏から「酒席でセクハラ行為をうけ、精神的な苦痛をこうむった」ということで、党の役職を解任・罷免され、議員を辞職しました(党員にはとどまるようです)。 女性から被害の訴えがあったのが5月27日、処分が事実上決定したのが6月16日、正式な機関決定を経て処分が発表されたのが6月24日ですから、1か月もかかっていないわけで、大物幹部の処分としてはたいへんなスピード処理といえるでしょう。 不祥事の処分が速やかに進むことは立派なことで、なにかともたつく他党に較べて水際立った手際であるといえそうですが、逆にいえば「民主集中制」をとっているこの党ならではという感もあります。民主集中制は「民主的に選出された上位者の決定には絶対服従」というおぞましい考え方ですが、それだけにこうした場合には抜群の効力を発揮するのでしょう。 ときに、共産党は幹部や職員は自宅以外での飲酒は禁止(これもすごい規則ですが)されていたと思うのですが、筆坂氏は今回どこで飲酒していたのでしょうか?これだけでなく、セクハラ事件の経緯については一切詳細が明らかにされていないところをみると、この党の閉鎖的な体質は綱領を見直したくらいでは変わらないようです。 |