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■2004/04/09 (金) 人の移動の自由化 この7日から今日にかけて、タイとのFTA実務レベル交渉が行われましたが、その中でタイ側が労働市場の問題に関して、介護士やベビーシッターなどの日本での受け入れに強い関心を表明したそうです。日本側は、国内制度の説明などにとどめ、本格的な議論は次回以降に持ち越したようですが、FTA交渉ではサービス貿易の自由化は大きな論点であり、タイに限らずフィリピンもFTA交渉にあたっては看護師や介護士の受け入れを強く主張することが予想されますので、これから受け入れ論議が本格化しそうです。 介護の分野は、高齢化が進展するなかで今後労働力不足となることが確実視されていますし、安価な介護労働力の確保は社会保障財源の面での意味もあるでしょう。あたかも介護保険の見直し論議が進みつつありますが、すでに財源問題が課題となっているようですから、なおさらといえましょう。ベビーシッターも、女性の社会進出が進むなかではそのニーズは確実に高まるでしょう。アメリカなどでは、安価なベビーシッター(相当部分がマイノリティの若年女性といわれています)の供給が女性の活躍を支えているといわれます。 いっぽう、人の移動も含めたサービス貿易の自由化は、社会的にも大きなインパクトになる可能性があります。先日、経済同友会が医療分野での提言で外国人医療従事者の受け入れに言及し、経団連も外国人受け入れに関する全般的な提言を近日中に発表するそうです。今後、この問題の議論は大きく高まってくるのかもしれません。いずれ、一度は必要なことではないかと思います。 ■2004/04/08 (木) 民主党の対案 年金改革法案の「民主党の対案」というのが出てきました。政府案も単なる給付減と保険料アップの計算あわせで、およそ改革とはいえない彌縫策ですが、民主党の「対案」なるものもなかなか不可解なシロモノです。 一応、スウェーデンの年金制度を下敷きにしているようで、とりあえず「最低保障年金」を税方式で導入し、その財源として目的消費税を新設するというのは政府案よりかなりマシな考え方といえましょう。しかし、保険料率は現状維持で、給付は政府案と同水準を維持するというのですが、それが本当に可能なのかはかなり疑わしいように思います。 また、所得捕捉の問題があるなかで、サラリーマンも自営業者も同様に所得比例の保険料を課すのも問題といえましょう。保険料には所得控除がないのでなおさらです。このあたり、民主党の有力な支持母体である連合はどう考えているのか知りたいところです。とりあえず、昨日出された事務局長談話では、最低保障年金について「民主党案は所得比例年金の支給額等に応じて減額するという点で連合案との違いはあるものの、税を財源とする一階と報酬比例による二階という二階建てとしている点で、連合の考え方と基本的には同じということができる。」と述べるのみで、あとは「政府案に反対するという点では仲間」という意味のことをいうにとどまっています。 実際には、この民主党案は「給付水準維持」という連合の主張とはまったく異なるものというべきだろうと思います。まあ、それだけ民主党に対する連合の影響力が低下しているということなのでしょうか。 ■2004/04/07 (水) 情においては忍びないものの 任意加入の国民年金保険に加入しなかったため障害基礎年金を受け取れない無年金障害者をめぐる訴訟で、国の判断が注目されていましたが、結局控訴ということになったようです。情において忍びないものはあるものの、理においては妥当といえましょう。過去の最高裁判例に照らしても今回のケースが立法者不作為で違憲という判断には問題があるようですし、そもそも本人の自由な判断によって任意加入の保険に加入しなかった以上、保険事故が発生しても保険給付はないというのは当然で、こうした基本的な原則は安易に曲げられるべきではないと思われます。 いっぽうで、これら障害者の救済はすでに政治問題になっており、94年の国民年金改正法案の附帯決議では、政府に福祉的措置による対応を求めています。厚労省や財務省は財源問題もあって救済に消極的なようですが、報道などで伝えられる実態をみれば、適切な救済は喫緊の課題といえそうです。 不思議なのは、「年金制度の枠内での解決を求める」という原告のかたくなな姿勢です。むしろ、福祉的措置による救済の条件闘争に力点をおき、彼らのいわゆる「勝利和解」をめざしたほうがより迅速な救済が実現できるのではないでしょうか。今回の判決をみれば、お役所もそれなりに前向きな対応を示す可能性があると思います。まあ、「国や為政者の誤りを認めさせる」という政治的意図を無年金障害者の救済より優先的に考えている人もいるのでしょうか。 ■2004/04/06 (火) 輸送業の現場もちょっとおかしい? 時事通信ニュースによれば、きのう午後5時ごろ、近鉄電車がドアが開いたままで出発、約10メートル走行したそうです。運転士が気付いて急停止させ、てことなきを得たようですが、怖い話です。 近鉄によると、電車にはドアの開いた状態では発車できない安全装置が付いているのだそうですが、運転士は誤作動を起こしたと思い込み、解除して発車させてしまったのだそうです。電車にはさらに速度が10キロを超えると開いたドアが閉まる装置も付いており、これが作動したことでようやく異常に気付いたのだとか。 おそらく、安全装置はこれまでもたびたび誤作動していたのでしょうか。六本木ヒルズの回転ドア事故と同様で、安全装置と誤作動というのは現場にとってなかなか悩ましい問題のようです。 それにしても、ドアが開いていると発車しないだけではなく、開いたままでスピードが出ると閉まるという装置までついているとは知りませんでした。さすがに乗客を大量輸送する鉄道のこと、何重にもフェールセーフがついているということなのでしょう。 それにしても、失態であるには違いありません。このところ、製造業の現場の失態がクローズアップされていますが、高速バスの飲酒運転とか、JRの工事ミスとか、輸送業の現場の失態も目立つように思います。注意が必要なのではないでしょうか。 ■2004/04/05 (月) 森永先生もビックリ 東京私大教連の調査によれば、昨年春に首都圏の私立大学に入学した下宿生の生活費は8年連続で減少し、48,000円となっているそうです。 これはまた、森永卓郎先生もビックリの小額(なにしろ年額576,000円ですから)で、およそ現実的な数字ではありませんが、これは要するに定義の問題で、(仕送り−家賃=生活費)という計算結果のようです。ああ驚いた。 で、その仕送りは平均で約108,200円で、昨年に較べ4,000円減少したそうです。家賃の平均が60,200円(これは100円の微増)なので、差し引きで約48,000円という算術のようです。これは6月の仕送りを調査しているということですから、入学や転居にともなうイニシャルコスト(ちなみに今年は2,064,400円だったらしい)や、年度毎や学期毎で発生する教科書代などの費用も含まれていないことになりますが、こんなもんなんでしょうか。 まあ、大学生のことですから、仕送り以外にアルバイトなどでかなりのものを稼いでいるのでしょうし、奨学金もありますので、実際の生活費が月48,000円ということはさすがにないでしょう。もし、本当に月108,200円の仕送りしかなければ、家賃に月6万円もかけないでしょうし。 それにしても、家賃6万円といえば、立地にもよりますがそれなりに立派なワンルームマンションという感じでしょうか。四畳半一間、トイレは共同で風呂は銭湯という家賃2万円の安アパートで大学生活を送った私からみると隔世の感があります。まあ、私も年をとったということなのでしょうね。 ■2004/04/02 (金) 米国雇用、大幅増 米国景気の先行きを占う指標として注目されていた3月の非農業部門就業者数は、30万8千人増と大きく伸びたそうです。これはブッシュ大統領就任以降最大の数字で、「雇用を減らした大統領」と言われて攻撃されてきた同大統領としてもほっと一息ではないでしょうか。とはいえ、これはカリフォルニア州の大型スーパーのストライキが収束したことなどによるサービス業の雇用増(約23万人)や、天候回復による建設業の雇用増(約7万人)といった一時的要因が大きく、先行き楽観はできないのだとか。実際、失業率は5.7%で0.1ポイント上昇しています(もっとも、過去の米国からみればまだまだ低い水準ですが)。 米国は今年は選挙の年なので、雇用問題もいろいろな側面からいろいろな議論がなされるのでしょう。とくに問題になっているいわゆるオフショアリングについては、一部の研究者からも「中長期的にも米国経済にマイナス」という意見も出ているようです。いずれは日本でも同様の議論が起きてくる可能性は十分で、注目したいものです。 それにしても、ストライキ収束で雇用者数が増えるということは、スト中の従業員は雇用者にカウントされていないということでしょうか。このあたり、わが国とは少し違っているようで興味深いものがあります。 ■2004/04/01 (木) 日債銀本店がなくなってました。 病気やらなんやらで連合総研の賛助会費を払い忘れていて、いつのまにか3ヶ月も延滞してしまいました(笑)。さすがにこれは申し訳ないということで、この月曜日に九段下の連合総研にわざわざ(笑)持参して支払ってきたのですが、行ってみて驚いたことに、九段下交差点の旧日債銀本店が取り壊されていました! あおぞら銀行の本店は、近くのもっと小ぶりなビルに移転したということで、なるほどこれがリストラというものなのでしょう。 ちょっと興味をひかれたので簡単に調べてみたところ、もともと旧日債銀の本店は日債銀が国有化されたときに整理回収機構が証券化して売却、三菱信託が信託受益権化し(このへんのテクニックはよくわからないので突っ込まないでください(笑))、あおぞら銀行があらためて賃貸する形になっていたのですが、再建後のスリム化した銀行には大きすぎるということで移転したということのようです。それで年間数億円の家賃が節約できるというのですから、やはりリストラです。 しかも、転居先の新本社は、もともとさくら銀行の本店があったビルで、さくらと住友の合併で空家になっていたビルだというのですから、まことにもって金融業界の再編とリストラはたいへんなことだという感じです。 それにしても、旧日債銀本店は、旧長銀本店ほどではないにしても(笑)なかなか目をひくデザインで、九段下のランドマークのひとつでしたから、姿を消してしまったのはさびしいといえばさびしいことです。 |