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年俸制
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これも意味不明な労務用語の代表選手。そういえば、一時期はしょっちゅう目にし耳にしたが、最近はそうでもないようにも思われる。 典型的な年俸制としてよく引き合いに出されるのはプロ野球選手のそれである。毎年、球団と選手が交渉のうえ翌年の年俸を決定する。もちろん年俸ダウンもあるが、折れ合わなければ契約は行なわれず、自由契約選手となる。しかし、これとて完全な成果給ではない。たとえば、2001年の読売ジャイアンツの工藤投手の年俸は推定約3億円と云われ、上原投手の同7600万円と4倍の差があるが、少なくとも年俸の対象となる年の両投手の成果・貢献に4倍の格差はないだろう。結局のところ、年功的に積み上げられた年俸というのはかなり大きく、しかも移籍などの条件が変わるとまた大きく変動するのである。 企業においても、取締役の報酬や賞与は一応「年俸制」かも知れない。しかし、管理職や専門職に対して導入されている「年俸制」は、単に1年単位で報酬を決めている、という程度の意味でしかない。社長と部長、人事部と管理職、上司と部下が交渉をして「いくら」と決めている例はめったにないだろう。ましてや、「この年俸でイヤならクビだ」などという企業はほとんどあるまい。まあ、せいぜい目標管理かなにかで賞与を変動させ、場合によっては年収ダウンもありうるというくらいの「年俸制」がほとんどなのではあるまいか。しかも、変動幅も最初からそこそこの上限下限が設定されていることが多い(まあ、プロ野球にもダウン幅の下限はあるらしい)となると、いったい普通に人事考課をして昇給や昇格、賞与を決めるのとなにが違うのだろう。通常の人事考課にしても、年単位、年度単位で実施している企業が多いに違いない。賞与も、人事考課は夏冬2回かも知れないが、労使交渉で決める部分は夏冬別ではなく、年間協定が大半だ。 要するに、どんな賃金制度をとっていたとしても、年間合計すれば年収が計算できるのだ。「年俸制」という語には、なんとなくプロ野球などの連想で、成果で決まるとか、ダウンもありうるとか、自由契約もありうるというイメージがある。結局のところは、単にそのイメージを求めて使っているケースがほとんどなのではあるまいか。となると、意味不明となるのも致し方ないところだ。 |
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