流動化
 「雇用の流動化」「労働力の流動化」などと使われるが、その意味は今ひとつ不明というか、灰色の言葉。
 もともとは、労働研究者などの間では、派遣社員や有期雇用などの「流動的な」労働力の比率が高まり、比較的「流動的でない」長期雇用の労働力の比率が低下することで、結果として労働力が流動的になる、といった意味で使われており、それはそれで事実だし、労働市場で起きている現象を切り取っていたと云えた。
 ところが、「経済戦略会議」あたりから、生産性の低い分野から高い分野に労働力を移動させること、という意味で使われはじめるようになり、いわゆる「構造改革」の一つとして「推進すべき」ものとされるようになってきた。「産業競争力会議」などが行なわれたころに、こうした論調に乗ったのが、問責されずに過剰雇用を整理したいと考える一部の経営者であった。
 さらに折からの「規制改革」が動員されて、「解雇の規制緩和」を求める意見が出はじめ、「流動化」という言葉も、「解雇を容易にする」というニュアンスで使われるケースが多くなった。このように、「流動化」という言葉の定義があいまいになり、誤解を招きやすくなってきているため、専門家の間ではむしろ避けられることが多くなっている。
 一方で、リクルートなどをはじめとする人材ビジネス業者などは、「流動化」こそが商売のタネになるため、しきりに自社・他社さまざまなメディアで「流動化」ということばをかまし続けている。 
ご注意: この用語集は、管理人の個人的なコメントを述べたものであり、用語の正確な定義を記載したものではありません。くれぐれもご注意ください。

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