成果主義
 定義するとしたら、個人のあげた成果に応じて、その労働条件を決めていこうという考え方、ということになるのだろうか?私の手元にある日経連「改訂新版人事・労務用語辞典」第2版(平成10年9月)には、「成果主義」は載っていないぞ。これもまた、繁用されてはいるものの意味不明な用語の一つといえそうだ。
 これは、90年頃から、これまで主流だった「年功賃金」(年功≒経験の蓄積≒能力という考え方にもとづく生計費主義の色彩が濃い一種の能力主義賃金とでも云うのか。くどいな)のもとで、団塊世代が高齢化して高賃金ゾーンに入ってきた一方、不況のために新規採用が抑制され、相対的に賃金の低い若年層が減少したことで、企業の人件費負担が重くなり、人件費の抑制が必要になったことに端を発している。要するに、中高年を中心に、これまでのように賃金を上げていたのでは持たなくなった。ところが、全員一律に抑制するとモラルダウンが著しいだろうということで、それならば、働きのよい人はそれなりに賃金を上げる一方で、働きの悪い人は上げない、あるいは下げる、という具合に、働きに応じて抑制度に差をつけることにした、というのが現在の成果主義の来歴なのである。要するに、成果主義とは、賃金を抑制しつつ士気を維持しようという苦肉の策だったのだ。
 もちろん、差をつける以上は評価が必要だし、納得の得られる評価でなければならないということで、評価の技術、特にその納得を得るための技術も並行して発達した。しょせんは低評価を納得させるためのものであるだけに、合理的・科学的な評価基準ができたというわけではなく(そもそもできるかどうかも疑わしいが)、目標管理やフィードバックなどの説得の技術が向上したのが特徴である。
 ちなみに、「年功賃金のもとでは中高年は貢献に見合わぬ高賃金を得ている」から、成果主義になれば賃金は抑制されて当然だ、という理屈が振り回されることもあるようだが、もちろんこれはとんでもない詐欺である。中高年の高賃金は若年時に貢献を下回る賃金で酷使されてきたことの見返り(長期精算)なのだから当然の権利なのである。しかし、これについても、「昔は良かったでは何も進まない」「実際、背に腹はかえられないのだから仕方がない」ということで、それなりに納得を得られているのが現状である。日本の中高年は本当に偉いと思う。
ご注意: この用語集は、管理人の個人的なコメントを述べたものであり、用語の正確な定義を記載したものではありません。くれぐれもご注意ください。

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