チェックオフ
 一般的には、賃金の全額払い原則の例外として、労使協定によって支払前の賃金からいわゆる「天引き」を行なうことを云うが、多くの場合は、組合費を賃金から天引きして、会社が代理徴収することをさす。
 チェックオフはショップ制と並んで労働組合の生命線であると云われる。組合費は高いところも安いところもあるが、だいたい月数千円で、けっこうな額である。当然、できれば払いたくないという人もいるだろう。もし、組合費が天引きでなく、職場役員が組合員から集金するという方法であったとしたら、その手間はたいへんなものであり、また、払いたくないといってゴネる奴から巻き上げるための心労はすさまじいものがあるだろう。こうした負担を回避するだけでなく、集金のコストすべてを丸ごと会社に転嫁し、しかも活動資金の確保を確実なものとできるチェックオフは、まさに労組の生命線というにふさわしい。
 生命線はすなわち最大の弱点である。ショップ制とチェックオフをなくしたらあらかたの労組はつぶれるといわれるほどである。そのため、このところ、連合やその意を受けた民主党が与党に強硬に抵抗したり、無礼を働いたりしたりすると、与党がショップ制やチェックオフの禁止を検討しはじめるのもそのせいである。民主党の資金が、事実上組合費を原資としているに等しいことは周知の事実であるから、民主党もこれには弱い。
 今のところ、労使関係の安定を重視する日経連などもショップ制やチェックオフの禁止には反対しており、労組の生命線はなんとか命脈を保っている。一応、ショップ制もチェックオフも合法であるとされており、それがグローバル・スタンダードでもあり、これを禁止する方が労働基本権の侵害であるというのが正論だが、一方で、入りたくもない組合に無理やり入れられ、払いたくない賃金を無理やり天引きされるのは人権侵害だという素朴な意見もある。イヤなら会社を辞めればいいだけの話なのだが。
 それにしても、労組にすれば「一度自分たちで組合費を集めて見ろ」といわれるのは痛いところには違いない。
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