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アメリカでは、サラリーマンが昼食をハンバーガーやピザといったスナックで済ませるのは以前からありきたりの風景ですが、ここ数年、東京都心部でも、マクドナルドのハンバーガーで昼食をすませるサラリーマンの姿をたびたび見かけるようになりました。わが国にはじめてファーストフードがお目見えしてすでに30年、もはやファーストフードに抵抗感のない中高年というのも増えているということでしょうが、その低価格が吸引力になっていることも間違いないところでしょう。 消費者金融大手の「レイク」が、サラリーマンのふところ具合について調べた結果が公表されています。サンプル数は東京・大阪在勤の男性会社員約300人ですが、ほぼ100%の回答を得ています。これも毎年継続して実施されているもので、貴重な資料といえるでしょう。2001年の調査結果によれば、サラリーマンの一ヶ月の小遣いは58,400円で、1997年の66,900円に比べて大幅減となっており、たしかにサラリーマンのふところ具合はさびしくなっているようです。ちなみにバブル絶頂期の1990年は76,000円ということですから、バブルはバブル、景気循環は世の常と割り切るにしてもいささか厳しい現実です。そんな中でも、未婚者については72,900円となっていて、既婚者の50,900円に比較して大いに優位にあります。これは、「レイク」によれば「親元で生活する"パラサイトシングル"が増えたことの裏返しなのでしょうか」。 さて、その中で昼食代に回るのはいかほどかと言えば、1回あたり710円という結果が出ています。月20回として、14,200円が昼食代に消えている計算になり、小遣いに占めるシェアは約4分の1ということになります。ちなみに、同社が調査したolの昼食代は約640円ということです。こちらは過去のデータが参照できないのですが、1997年に帝国データバンクが実施した調査によれば、東京でかかる昼食代は約850円という結果が出ていますので、単純に比較はできないにしても、やはり昼食のリストラも進んでいるということでしょうか。 もっとも、これは弁当を持参する人や、割安な社員食堂を利用する人もふくまれていますので、外食を利用する人の単価はもう少し高くなっているものと思われます。もっとも、社員食堂については、昨今のリストラの中で、普及率が低下しています。(財)生命保険文化センターが1998年に実施した「企業の福利厚生制度に関する調査」(対象は東京都区部と政令指定都市の従業員30人以上の企業)によれば、社員食堂の普及率は約25%で、1992年が33%、1995年が28%ですから、どんどん減少しています。一般的に社員食堂は大企業ほど普及率が高いので、従業員ベースではもう少し比率は高いでしょうが、社員食堂の恩恵にあずかれる人は限られていると言えそうです。一方で、愛知県経営者協会が2000年に愛知県下在勤の会社員を対象に実施した調査によれば、社員食堂は利用率で第1位、今後改善してほしい福利厚生施策としても「家賃補助・住宅手当」に次ぐ第2位に上げられています。ニーズが高いにもかかわらず、経営悪化の中で社員食堂の閉鎖が続いているというのが実情のようです。もっとも、東京ガスの資料によれば、企業が要請する社員食堂の平均単価は450円から550円程度で、これは給食業者にとってもかなり厳しい水準だということですから、社員食堂の維持もなかなか難しい仕事なのかも知れません。 さて、それでは昼食でどんなものが食べられているのか?ということですが、つい先日の日経新聞に掲載されていた同紙の調査結果(東京都心部での聞き取り調査)によれば、ベストテンはコンビニ・総菜弁当、ラーメン、パスタ、手製弁当、そば、焼き魚(和定食)、おにぎり、サンドイッチ、カレーライス、調理・菓子パンとなっていました。東北農政局の記事の中で「製薬会社調べ」として記載されている人気メニューは、1位が日替わり定食、以下そば、煮物、煮魚・焼き魚、ラーメン、フライ、手製弁当という順になっていました。調べ方がかなり違うようなので比較はできませんが、ある程度の傾向は見て取れます。その一方で、福井商工会議所が福井市とその近辺で2000年に行った調査によれば、家で作った弁当(72.9%)、パンやおにぎりなどの惣菜(14.1%)、社員食堂のメニュー(14.1%)、コンビニエンスストアなどの弁当(13.5%)、外食(12.9%)という結果が出ています。手製弁当の比率が圧倒的に高くなっているのは、地域性や外食インフラの整備度合にもよるでしょうが、手製弁当を持って都心まで通勤することの困難さという通勤事情の違いも大きいのではないでしょうか。 ちなみに、「ごいけんドットコム」というインターネット・サイトが2001年5月にオフィス街で働く男女会社員を対象に実施した調査によれば、「昼食に困ることがある」という人が全体の6割を占めているということで、なかなか勤労者の胃袋を満足させるような食環境は整備されていないようです。そんな中で、昼食の決め方は「とりあえずコンビニ」や「なんとなくいつも行くところ」がそれぞれ2割前後、「とりあえず社食」が14%で、過半数はなんとなく派で占められています。「とにかく昨日と違うもの」とか「外に出て空いている店をさがす」はそれぞれ13%、5%と少なくなっていますが、考えてもみればただでさえ仕事が忙しい中で、昼食までそんなに気合を入れていたのではもたないということかも知れません。 同じ調査によれば、規則上の昼休みは1時間という人が圧倒的に多いのですが、実質的な昼休みは30分以下という人が過半数でした。午前中の仕事の流れ込み、外回りの移動、得意先とのパワーランチなど、昼休みがつぶされる要因もこれまた多いものです。そして、食事をすませた残りの時間は雑談、新聞などで過ごしているとのこと。(財)省エネルギーセンターの調査によれば、実に86.4%が昼休みの消灯を実施しているということですから、都会のサラリーマンの平均的な昼休みは、10分か20分は仕事が食い込み、残りの時間でなんとなく食事をすませた後は薄暗いオフィスで雑談したり新聞を読んだりしているということになりそうです。 こうして見ると、昼食ひとつとってもぱっとしない世相を反映しているように思えてきます。ちなみに私の昼休みは45分。世間より15分短いということで、移動時間や待ち時間のない社食のありがたさがよくわかります。みなさんの昼食事情はいかがですか。 |