上司とうまくつきあう法(14.5.23)



 新卒就職情報業界ではリクルートに大差をつけられてしまった感がある毎日コミュニケーションズですが、ウェブサイトではけっこう面白い情報を発信しています。今回はその特集の中から、「上司とうまくつきあう方法」をご紹介しながら、たまには政策を離れて軽めの人間関係ネタを取り上げてみたいと思います。
 さてこの記事、まずは「上司に嫌われるのはこんな奴」ということで、10タイプあげられています。
 まずは「挨拶ができない」。記事は「挨拶がない=コミュニケーション能力がないとみなされ」ると論理的ですが、実際、部下から先にあいさつするのが当たり前、という封建的な感覚の上司がまだまだ多数派でしょう。管理職研修などでは「あいさつは上司から率先して」などと言われるわけですが、これはそれをしない上司が多いことの裏返しでしょう。
 次は「飲みに誘ってもいつもNG」。記事は「部下とより深いコミュニケーションを図りたいという意志の表れ」だから「自分のアピールの場と考え、積極的に参加」することを勧めています。まあ、最近は呑み会に参加しない人も増えてきたので、かつてのように「つきあわないと仕事にならない」ということもなくなってきたようですが、それでもやはり管理職研修などで「仕事に必要な情報は業務時間内に全員に共有するように」といったことを言われるのは、やはりまだまだそうでない現実の裏返しなのでしょう。
 その次が「回りくどいイイワケ」「仕事に夢がない」「同僚のみで盛り上がる」「直属の上司を飛び越え業務を進める」と続きます。「仕事に夢がない」というのは「仕事に対して情熱を感じられない」ということらしいので、これらはまずまず当然の話といえそうです。もっとも、「同僚のみ」「飛び越え」は上司のキャラクターに問題のあるケースもありそうですが、上司を選べないのがサラリーマンのつらいところです。
 続くのが「異性の社員に人気」。これは記事によれば「仕事もろくにできないくせに、異性の社員にはなぜか人気者。こんな部下は、生理的に嫌いといった上司が意外に多い」ということなのだそうな。うーん、情においてはさもありなんという感じがします。とはいえ、記事がいう「カワイイだけで男性社員にチヤホヤされているOLなどは、お局上司から睨まれること間違いなし」というのは、「お局」「OL」が徐々に消えつつある今、過去のものとなりつつあるようには思われます。
 あとは「気分屋さん」「怒り甲斐がない」と、妥当なところでしょう。最後は「器用で仕事が速い」ということで、記事によれば「頼りがいのある反面脅威」「自分の地位に固執している上司などには、目の敵にされてしまう」ということだそうです。普通、出来のいい部下はかわいいものですが、それは上司自身にもメリットがあるからです。日本企業では部下の育成を上司の役割と位置づけているケースが多く、特に管理職ともなると部下の業績も職場の業績=自分の業績という評価をしてもらえるので、出来る部下ほどかわいいということになりやすいようです。逆に、米国企業では上司はいつ部下にとってかわられるかわからないため、あまりできる部下はかえって脅威だというのが普通の発想だといわれます。どちらが組織として合理的、効率的なのかはわかりませんが、こうした記事が出るということは日本企業も米国的な姿に近づいているということでしょうか。
 さて、特集記事はこのあと「上司といい関係を築くには」に進みます。最初に「自分に好感をもってくれる部下に対して、嫌な気がする訳はない。自ら積極的に上司に関わっていく姿勢こそが、上司とのよい関係性を築き上げるための第一条件」という人間関係づくりの基本を述べたあと、具体的に「アピールしすぎは逆効果」「とにかく真面目なのが一番」と続いています。いたって常識的な内容で、特に後者は新入社員、若手社員には最善の安全策といえるでしょう。
 さらに「タイプ別上司攻略法」と銘打って、「バリバリにデキル上司」には「とにかく仕事でアピール」、「放任主義の上司」には「逐一上司の判断を求めず、まずは自分の力である程度の形を作った後に相談にのってもらう」、
「口うるさい上司」には「仕事の進行状況などを随時報告しておく」、「お調子者の上司」には「仕事とは関係のないプライベートな悩み事を相談してみる」などとアドバイスしています。「放任主義の上司」は「実は厳しい評価を下しており」「見放されるのも非常に早い」とか、「口うるさい上司」は、実は「自分に自信がなく、部下の責任まで自分で負いたくないと考えている」など、新入社員にはタメになりそうな指摘もあります。
 全体としては、若干ステロタイプではありますが、なかなかどうして的確な記事だといえるでしょう。もっとも、この手の話は昔々から言われてきた話でもあるわけで、案外進歩がないなあという見方もあるのかも知れません。
 まあ、人はみかけによらないもの、理屈どおりにならないのが人間、マニュアルどおりにはいかないのが人間関係です。とりわけ、上司と部下ともなれば世代も違いますから、それなりのフリクションがあるのがむしろ当然でしょう。ある程度歴史のある企業であれば、管理職はそれなりに選抜された人であるはずで、そんなにひどい上司というのも案外いないはずだと気楽に考えるのもひとつの行き方かも知れません。

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