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日経連が経団連と統合して4ヶ月近く経過しましたが、この12日に、新しい団体(日本経団連)と連合の初めての懇談会が開催されました。16日付「週刊労働ニュース」がそのもようを伝えています。 記事によれば、連合のおもな主張点は「補正予算による景気回復策と雇用対策」「パート労働者の処遇改善」「中長期的(多様就労型)ワークシェアリングの早期検討」ということだったようです。さらに笹森会長は相次ぐ企業不祥事について「労組としてもチェック機能を果たす必要があり、反省している」と述べたそうですが、これは反省の弁というよりは「チェック機能」への意欲を示したものでしょう。 日本経団連は、例年春季労使交渉に臨む経営サイドの基本方針などを討議してきた「労働問題研究委員会」は今後も継続(ただし、名称は変更するらしい)するとした上で、ワークシェアリングや賃上げについては例によって「国際競争力」の観点が重要との姿勢を示したようです。「労働問題研究委員会」については、実際に報告書を読んでみると、必ずしも労働問題にとどまらず、経営課題や政策提言などもかなりの割合を占めていますし、おそらく新団体となってさらに労働問題以外のウェートが高まるのでしょうから、名称はそろそろ変更の時期なのかも知れません。 さて、今回の懇談でなんといっても注目されるのは、日本経団連の奥田会長の「組合費が高すぎる」という発言についてのやりとりです。 問題の発言は、7月末に行われた日本経団連の夏季フォーラムの報道の中で、日経新聞が、奥田会長が「組合費が高すぎる」「企業は必死にコスト削減をしているのに、組合はバブルの頃と変わっていない」「組合費を半額にすれば、社会保障の増額にあてることができる」などと記者団に語ったと報じたものです。ごく小さい記事のうえ、他紙では報じられませんでしたので、詳細は判然としないのですが、今回の懇談会で奥田会長が「釈明した」というのですから、言ったことは言ったのでしょう。 奥田氏の釈明内容は、「国も財政再建が必要、企業もがんばっていることを考えると、家計も見直しが必要」であり、たとえば「塾にかかる費用などと並べて組合費を取り上げた」ということのようです。連合サイドはこれに対し「組合側では反響が大きい」「組合としても経費節減や専従役員の削減、スト資金の返上など努力している」と反論したとか。 議論の詳細な内容はわかりませんので、なんともいえない部分は大きいのですが、「家計も見直しが必要」というのは、要するに不景気なんだから(あるいは、社会保障の負担が増えるからその分)倹約しましょう、ということでしょう。ならば、組合も努力して組合費を下げれば、組合員も助かるではないか、という考え方なのでしょうか。「組合費が高すぎる」の趣旨が「効率化の努力が足りない」ということであれば、「努力している」という連合の反論もとりあえずもっともだということになりそうです。 とはいえ、この問題はそれで片付けてしまっていいのでしょうか。奥田氏自身がどんな意図で発言したかは別として、労組としては、組合員が組合費についてどのような感覚を持っているのか、あらためて反省してみる必要があるのではないでしょうか。多くの組合員は、実は内心「組合費は高すぎる」と感じているかも知れません。 もとより、労働組合というものは、組合員がお金を払ってサービスを買うというものではないはずでしょう。一人ひとりの組合員が組合活動に「参加する」ことが基本であり、組合費はそれに必要な費用を組合員が分担するものであるはずです。ところが、この基本的前提が、かなりの職場で崩壊しているのではないかという印象があります。わが国における労組の組織率は下がる一方ですが、その中でも、相当割合の組合員は、ユニオン・ショップ協定によって、自分の意思とは無関係に自動的に組合に加入しているというのが実態でしょう。加えて、争議行為のような目に見える運動も減ってきて、組合員の組合活動への参画意識が低下し、「組合活動は執行部がやるもの」という意識の組合員が増えているのではないでしょうか。しかも、組合費はチェック・オフで、賃金から天引きされるケースが多いでしょうから、人によっては、組合費は組合活動参加の一環ではなく、あたかも税金や社会保険料などのように、「負担」であると感じているとしても不思議ではありません。そういう人は、「高い組合費を払っているのに、メリットがない」といった意識を持っているのではないでしょうか。 もちろん、連合としても、先般の参議院選挙の結果を見るまでもなく、こうした組合員の参画意識の低下に対する問題意識は持っていることでしょう。また、これは理屈としては組合組織の内部の問題ですから、経営サイドが口出しする問題ではないというのも筋だろうと思います。とはいえ、労組の求心力、組織力が低下することは、経営サイドにとっても困った問題であることも一面の事実です。 今回の奥田氏の発言も、連合はじめ労組としては、こうした現状に対する警鐘としてもっと重く受け止めるべきではないだろうかと思います。その上で、「組合員は組合活動に積極的に取り組んでおり、活動の成果にそれなりに満足している。組合費も組合活動参加の一環として、納得の上で払っている。したがって、組合費は決して高くない」と、堂々たる反論ができるようになってほしいものだと思います。 |