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4月に入り、フレッシュマンの姿が目立つようになりましたが、その一方で、このところ問題視されている「学卒未就職者」がどれほど出てしまったのかも気になるところです。 まだ具体的な調査結果は出ていませんが、1月末段階での高校卒の内定率が過去最低となっているなど、かなり心配な状況にあります。そこで、厚生労働省はこの4月3日、「未就職卒業者就職緊急支援事業」を実施することを発表しました。 現実を見ると、高卒については1月末現在で内定率が75.7%にとどまっており、前年同期の80.5%をかなり下回っています。大卒については2月初時点で82.9%で、これは前年同期の82.3%とほぼ同一水準です。もちろん大卒も厳しいわけではありますが、今年はとりわけ高卒が厳しいということになりそうです。ちなみに、昨年は最終的(卒業時点)には高卒92.8%、大卒91.9%に達していますので、最後の2か月でそれぞれ12.3ポイント、9.6ポイントの上積みがあったことになります。一昨年も、最後の2か月でそれぞれ12.8ポイント、9.5ポイントの上積みがありましたので、今年は成り行きでは高卒が88%程度、大卒は92%程度になることが予想されます。 さて、高卒内定率が88%にとどまった場合、約25,000人が就職が決まらないという結果になります。さらに、就職を希望するわけでもなく、進学(進学浪人をふくむ)もしないという高卒者(具体的にはいわゆる「家事手伝い」になるケースなど)が毎年1割程度いますので、これもあわせると45,000人の進路が決まらないということになります。昨年・一昨年並みの内定率にまで持っていくことができれば、これが10,000人近く減るわけですから、厚生労働省が力を入れるのも当然といえるでしょう。 具体的な支援策の内容を見ると、まずは対象者を把握するため、高卒については高校から未就職卒業者のリストの提供を受け、大卒については学生職業センター利用者の追跡確認などによって、未就職者にハローワークへの登録を呼びかけるとしています。その上で、登録者に対して、ハローワーク職員・相談員によるマンツーマン指導や個人別支援方針の策定などを行なうとしています。さらには、登録者に対する職業講習、事業主等への委託による職業実習や専修学校等への委託訓練の受講推薦等の各種援助措置を実施するとなっています。また、昨年末から展開されている「若年者トライアル雇用事業」について、登録者はその重点対象者とするとされています。 これでどれほどの効果が期待できるかは未知数ですが、ハローワークの相談員などによる指導・支援はやればやっただけの効果はあると言われています。職業講習についてはあまり効果があるという話も聞きませんが、即座に就職に結びつかないにしても、それなりに何らかの意味はあるでしょう。問題は若年者トライアル雇用事業ですが、補助金はひとり一月50,000円を3ヶ月が基本ということなのでけっこうな額です。一応行政としては100億円弱の予算を確保し、50,000人の対象者を見込んでいるとのことです。 その一方で、建前としては「本採用を義務づけるものではない」「どうしても能力等において無理な場合はトライアル雇用だけで終了してもかまわない」ということにはなっていますが、トライアル雇用中に実施する指導・訓練や本採用のための要件を記入した「活用計画書」を本人同意のうえハローワークに提出することとなっており、本音の部分では事実上かなりの程度本採用が義務付けられているのに近い実態となっているように思われます。また、これについても他の制度でたびたび指摘される「ハローワークの紹介に限る」との規制がついているのも気になるところです。中高年についてすでに実施されている類似の制度の活用実績がおよそはかばかしくないことを思うと、若年者についても目論見どおりの活用が進むかどうかは疑問に感じざるを得ません。 こうして見ると、今回の緊急支援事業は、一定の成果は上げるでしょうが、顕著な成果とまでは望めないように思われます。もちろん、小さくとも効果が期待できることには地道に取り組むべきですが、そういう観点からは、今回の緊急支援事業には求人開拓が含まれていないことが気になります。 実際、高卒の就職難の最大の原因が求人の減少であることは疑いを入れません。なにしろ、バブル絶頂期の平成4年度卒に対しては、実に160万人を超える求人があったのに対し、今年度卒には20万人程度の求人しかないのです。その内容も、事実上の風俗関連のような、高校が紹介をためらうようなものもかなり含まれているといいますから、就職難になるのも当然なのです。 そういう意味では、少しでも良質の求人を少しでも増やすことが、何と言っても即効性ある就職難対策になると思います。実際、全国のハローワークなどで展開されている求人開拓員は、それなりの成果を上げているということです。たしかに、限界収穫は逓減するでしょうが、それでも「いい人がいれば」と思っている事業主もいるのです。若い人であればなおさらでしょう。対象者に対する就職支援も大切でしょうが、それ以上に求人開拓員の増員など、求人を増やす努力が重要ではないでしょうか。 また、求人が減少して高校新卒の有効求人倍率が1.08倍という中では、現行の一人一社制だと、高校によっては求人数が就職希望者数を下回ってしまうというケースも頻発しているのだそうです。これは直接的には緊急支援にはなりませんが、別途一人一社制の見直しを真剣に検討すべきだろうと思います。 |